アライグマの追い出し方|特定外来生物への正しい対処法

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天井裏から物音がする、庭が荒らされている——それはアライグマの仕業かもしれません。かわいらしい見た目とは裏腹に、アライグマは「特定外来生物」に指定されており、個人が許可なく捕まえることはできません。では、自宅に住み着いたアライグマをどうやって追い出せばいいのでしょうか。この記事では、国や自治体のデータをもとに、法律上の注意点を踏まえたうえで、自分でできる追い出しの方法を詳しく解説します。

この記事のポイント
  • アライグマは特定外来生物のため、個人が許可なく捕獲することは法律で禁止されている
  • 全国の捕獲数は1991年度の9頭から2020年には9万6千頭超まで急増している
  • 「追い出す」対策としては、忌避剤・嫌いなニオイ・音・光・環境整備が組み合わせて有効
  • 追い出した後の侵入経路の封鎖を怠ると、高い確率で再発する
  • 捕獲が必要な場合は自治体への申請が必要で、業者派遣制度がある自治体もある
目次

アライグマとは?被害が急増している理由

アライグマはもともと北米原産の動物で、ペットとして輸入された個体が野生化し、日本各地に定着しました。指先が器用で、屋根のすき間やわずかな隙間からでも家屋に侵入できるうえ、雑食性でペットフードや生ゴミ、庭の果樹など何でも食べてしまいます。繁殖力が強く、天敵が少ないことも、被害が急増している大きな要因です。

タヌキやハクビシンと見た目が似ているため混同されがちですが、しっぽの黒い輪模様と、耳の後ろが白いのがアライグマの特徴です。似た被害でも対応する法律や手続きが異なるため、まずは正確に見分けることが対策の第一歩になります。

編集部

「かわいいから」と餌付けしてしまう方もいますが、アライグマは気性が荒く、感染症を持っていることもあります。絶対に近づいたり触ったりしないようにしましょう。

実際にプロの駆除業者がどのように対応しているのか、先に見てみましょう。

実際の作業では、出入り口を1か所だけ残してすべてふさぎ、残した1か所に忌避剤とセンサーライトを設置したうえで、数日間様子を見ます。写真のように、物音や足跡が完全になくなったことを確認してから最後の出入り口をふさぐのが、再侵入を防ぐポイントです。

駆除業者

出入り口を全部一度にふさいでしまうと、中に残った個体を閉じ込めてしまうことがあります。必ず1か所は逃げ道を残し、いなくなったのを確認してからふさぐのが鉄則です。

ここからは、こうした対応の背景にあるデータや法律、そして自分でもできる対策について詳しく見ていきます。

全国データで見るアライグマ被害の実態

環境省の資料によると、アライグマの捕獲数は1991年度は全国でわずか9頭だったのに対し、外来生物法が施行された2005年以降に急増し、2020年には9万6千頭を超えました。これに伴い、農作物被害額も2022年度には全国で4億5千万円を超える規模にまで拡大しています。

年度捕獲数・被害の状況
1991年度全国で捕獲数9頭
2020年捕獲数9万6千頭超
2022年度農作物被害額4億5千万円超
2024年沖縄県を除くすべての都道府県で生息確認
出典:環境省「アライグマ防除の手引き」

アライグマは、沖縄県を除くすべての都道府県において生息が確認されています。

環境省「アライグマ防除の手引き」より

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除)令和7年3月改訂版」

侵入防止の基本

侵入経路を断つための基本

ある都の案内では、アライグマ対策として家屋への侵入経路となる木の枝を切る、破損箇所をふさぐといった対策が案内されています。空き家や倉庫、神社・寺院なども住みかにされやすいため、定期的な点検と、暗渠・側溝の清掃も効果的とされています。

エサ・誘引物を取り除く対策

ある県の案内でも、野生化したアライグマが増え、農作物被害や住居侵入などの生活被害が広範囲で発生しているとしたうえで、ペットフードの放置をやめる、収穫しない果実や農作物を放置しない、ゴミ出しのルールを守るといった、エサ源を断つ対策が呼びかけられています。池で魚を飼っている場合は、金網などで覆うことも有効です。

なお、自治体によっては、庭などに捕獲器を設置してアライグマを捕獲する取り組みを、委託業者による無料の設置・回収というかたちで支援している場合もあります(エサの用意や費用は依頼者負担、対象条件や予算枠が定められているケースが一般的です)。利用できるかどうかは、まずお住まいの自治体の環境担当窓口に確認してみるとよいでしょう。

出典:東京都環境局「被害を防ぐために アライグマ・ハクビシン対策について」/埼玉県「アライグマ」

アライグマを追い出す前に知っておきたい法律のポイント

アライグマ対策で最も注意すべきなのが法律です。アライグマは「外来生物法」により特定外来生物に指定されており、個人が許可なくアライグマを捕獲することは法律で禁止されています。捕獲するには、外来生物法または鳥獣保護管理法に基づく自治体の許可が必要です。

ただし、「捕獲」ではなく「追い出す」対策(忌避剤や音・光を使って屋外に出て行ってもらう、侵入経路をふさいで再侵入を防ぐなど)は、個人でも行うことができます。この違いを理解しておかないと、良かれと思って行った対応が法律違反になってしまう可能性があるため、注意が必要です。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き」

追い出すための具体的な方法

「捕獲」ではなく「追い出す」ための具体的な方法を、切り口別に紹介します。

忌避剤・嫌いなニオイを使う方法

アライグマは嗅覚が鋭く、特定のニオイを嫌う性質があります。市販の忌避剤(オオカミの尿を使った製品や、木酢液系のものなど)を侵入口や通り道にまくのが基本の方法です。唐辛子やワサビ、ハッカ油などの刺激臭も一定の効果があるとされています。効果は一時的なことが多いため、他の対策と組み合わせることが前提になります。

音・光を使う方法

アライグマは警戒心が強く、急な音や強い光を嫌う傾向があります。超音波発生器やセンサー式のライトを、天井裏や庭の出入り口付近に設置すると、追い出しのきっかけになります。ただし同じ刺激を続けると慣れてしまうため、設置場所や種類を時々変えるなどの工夫が必要です。

環境を変えて寄せ付けなくする方法

最も根本的で効果が長続きするのが、「居心地の悪い環境」に変えることです。エサとなるものを片付け、暗く狭い隠れ場所(物置の隙間、庭の茂みなど)を整理し、天井裏に強い光と音を一定期間当て続けることで、アライグマ自ら住みかを放棄しやすくなります。

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自力で追い出す場合の流れ・方法

アライグマは気性が荒く、感染症のリスクもあるため、自分で近づいたり捕まえようとしたりするのは危険です。追い出し作業も難易度が高いため、基本的には専門業者への依頼をおすすめします。ここでは参考として、家庭でできる追い出しの基本の流れを紹介します。

自分でできる追い出しの基本ステップ
  1. 天井裏・庭など、アライグマがいる場所と侵入経路を特定する
  2. 忌避剤や強い光・音を使い、日中の留守中などに刺激を与え続ける
  3. アライグマが完全にいなくなったことを物音や足跡で確認する
  4. 侵入経路となっていたすき間・破損箇所をすべてふさぐ
  5. エサとなるものを片付け、再侵入されにくい環境を維持する

これを行っても物音や気配が続く、あるいは天井裏など自分で確認できない範囲に被害が及んでいる場合は、家庭での対策では対応しきれていないサインです。無理を続けず、専門業者への相談に切り替えましょう。

追い出した後に必ずやっておきたい再発防止のポイント

アライグマの対策で見落とされがちなのが、「追い出して終わり」にしてしまうことです。侵入経路をふさがないままにしておくと、同じ個体、あるいは別の個体が高い確率で再び住み着いてしまいます。

特に注意したいのが、忌避剤や音・光による対策だけで満足してしまうケースです。これらの方法は一時的にアライグマを遠ざける効果はあっても、侵入経路そのものをふさがなければ再発を防げません。屋根のすき間、換気口、基礎部分の破損箇所など、家全体を一通り点検し、金網やパンチングメタルなどでしっかりとふさぐところまでを一連の作業として考えましょう。

自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ

害虫駆除業者が作業している写真

ここまで紹介してきたセルフ対策を行っても改善しない場合、天井裏の奥など自分では確認・対応しきれない場所にアライグマが住み着いている可能性があります。そのような場合は、無理に自己流の対策を続けるのではなく、専門業者への相談を検討しましょう。

業者への相談を検討すべきサイン
  • 忌避剤や音・光による対策を行っても、物音や被害が続いている
  • 天井裏など、自分では確認・作業ができない場所に住み着いている
  • 侵入経路が複数あり、すべてを自分でふさぎきれない
  • アライグマかどうか、種類の判別に自信がない

専門業者に依頼すると、追い出し作業に加えて、侵入経路の調査・封鎖、消毒・清掃までまとめて対応してもらえることが多くあります。料金や作業内容は業者によって差があるため、1社だけで即決せず、複数社の見積もりを比較検討することをおすすめします。

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よくある質問

Q. アライグマを自分で捕まえてもいいですか?

A. いいえ、アライグマは特定外来生物に指定されているため、個人が許可なく捕獲することは法律で禁止されています。忌避剤や音・光を使って追い出す、侵入経路をふさぐといった対策にとどめ、捕獲が必要な場合は自治体に相談してください。

Q. 忌避剤だけで本当に追い出せますか?

A. 忌避剤単体では一時的な効果にとどまることが多く、慣れてしまうと効果が薄れます。音・光による刺激や環境整備と組み合わせ、追い出した後は必ず侵入経路をふさぐところまで行うことが大切です。

Q. 追い出した後、また戻ってくることはありますか?

A. 侵入経路をふさがないままだと、同じ個体や別の個体が再び住み着く可能性が高くなります。追い出しと侵入経路の封鎖はセットで行いましょう。

Q. アライグマとハクビシン、どう見分ければいいですか?

A. アライグマはしっぽに黒い輪模様があり、耳の後ろが白いのが特徴です。判別に自信がない場合は、無理に近づかず、写真を撮って自治体や専門業者に確認してもらうのが安全です。

まとめ

アライグマは特定外来生物に指定されており、個人が許可なく捕獲することは法律で禁止されています。捕獲数は全国で急増しており、2020年には9万6千頭を超えました。個人でできるのは、忌避剤・音・光・環境整備を組み合わせた「追い出し」と、その後の侵入経路の封鎖です。追い出しても再発しやすいため、対応が難しい場合は無理をせず専門業者への相談も検討しましょう。

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本記事は、環境省および自治体(東京都・埼玉県)が公表している資料をもとに作成しています。アライグマの捕獲には法律上の許可が必要です。判別や対応に迷う場合は、自己判断で行わず自治体や専門業者への相談も検討してください。

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