コウモリの侵入防止は1cmのすき間から!場所別の対策と封鎖の時期

コウモリ侵入防止 1cm対策術

夕方に家のまわりを飛ぶ影を見かけたり、軒下に黒いフンが落ちていたりすると、「うちにコウモリが入ってこないか」と心配になるものです。野生のコウモリは法律で保護されているため、捕まえて駆除するのではなく、入らせない・戻らせないための対策がカギになります。この記事では、コウモリが侵入しやすい場所と経路、対策に向いた時期、すき間のふさぎ方や忌避方法、場所別の侵入防止ポイント、自力で行う流れ、業者に頼むべきタイミングまでをまとめて解説します。

この記事のポイント
  • コウモリは許可なく捕獲・殺傷できないため、侵入防止は「すき間をふさぐ」が基本。ごく小さなすき間からも出入りできる
  • ふさぐ前に、中にコウモリが残っていないかを必ず確認する。閉じ込めると、におい・害虫の原因になる
  • 6〜8月の子育て期と、冬眠の前後は封鎖を避け、春と秋に行う
  • 高所のすき間や数が多い場合は無理をせず、専門業者に相談する
目次

コウモリの侵入を防ぐには?まず押さえたい基本

コウモリの侵入防止というと、「忌避剤を置く」「音で追い払う」といった方法を思い浮かべるかもしれません。ただ、基本になるのは、出入りできるすき間を物理的にふさぐことです。コウモリは許可なく捕まえたり殺したりすることができず、違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。そのため、家に入られたあとも、入られる前も、「入れない環境をつくる」ことが対策の中心になります。

野生鳥獣を許可なく捕まえたり、飼うことはできません。

東京都環境局「野生鳥獣の捕獲について」

また、コウモリが家に住み着いた場合、自治体は駆除を行わず、追い払いや侵入予防は自分で対応する形が一般的です。費用は自己負担で、市販の金網や板で家屋のすき間をふさいだり、防除業者に依頼したりすることになります。

出典:東京都環境局「野生鳥獣の捕獲について」/環境省「捕獲許可制度の概要」/つくばみらい市「コウモリを見かけたら」/香川県「ヘビやコウモリを見つけたときの対応」/横浜市「家にコウモリが住み着いている。」

編集部

侵入防止は「入口をふさぐ」「居心地を悪くする」「戻れなくする」の3つがそろって効果が出ます。忌避グッズだけに頼らず、すき間封鎖を軸に考えると失敗が少なくなります。ここでは実際の作業の様子を見てみましょう。

こちらは、外壁と軒天の取り合いにできた細いすき間を、コウモリが外出中の夕方にふさいでいる場面です。出入り口の周辺には黒っぽい汚れが付いており、封鎖すべき場所の目印になっています。

駆除業者

すき間は1か所ふさぐと、別の弱い場所から入り直すことがよくあります。軒天、戸袋、換気口、エアコン配管の周囲まで外周を一周して、同じ条件のすき間を洗い出してから作業するのがコツです。

それでは、コウモリがどんな場所から入ってくるのか、侵入経路から確認していきましょう。

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コウモリが侵入しやすい場所と経路

侵入しやすい場所すき間ができる理由見分けのヒント
軒天・軒先板の継ぎ目や換気穴まわりが、経年でゆるむ出入り口の下にフンが落ちる
戸袋・シャッターボックス構造上すき間が多く、暗くて落ち着ける雨戸を開閉すると音や気配がする
換気口・通気口防虫網の破れやずれ換気口の周囲が黒ずむ
エアコン配管・外壁の貫通部配管まわりのパテが劣化して穴が開く配管の下にフンが落ちる
屋根と外壁の取り合いシーリングの劣化で細いすき間ができる夕方に屋根際から出入りする影が見える
編集部作成(侵入経路は編集部の知見)

コウモリは、1cm程度のすき間があれば出入りできるとされています。人の目には「ここから入れるとは思えない」ほど小さな穴でも、侵入口になりうるということです。

侵入口を探すときの手がかりになるのが、フンが落ちている場所です。壁際や軒下、ベランダの床などに黒くて細長いフンが集中している箇所の真上や近くに、出入り口があることが多くなります。夕方、日没後30分ほど家の外から観察して、コウモリが出入りする位置を確かめるのも有効です(編集部の目安)。

出典:浜松市「コウモリによる被害について」

コウモリの侵入防止に向いた時期

時期の目安コウモリの状態侵入防止(封鎖)の向き・不向き
冬(11月ごろ〜3月ごろ)冬眠している不向き。冬眠前後は避ける
春(3月下旬〜5月ごろ)冬眠から覚めて活動を始める向いている時期
初夏〜夏(6〜8月ごろ)出産・子育て期。子どもが飛べない不向き。子どもを閉じ込めるおそれ
秋(9〜11月上旬ごろ)子どもが成長し、冬眠の準備に入る向いている時期
編集部作成(時期は地域・年により異なる目安)

侵入防止の作業は、いつ行うかが結果を大きく左右します。コウモリは、ほとんどの種で6〜7月ごろに出産・子育てをし、冬は冬眠します。幼獣が飛べない6〜8月や、冬眠の前後にすき間をふさぐと、中に取り残された個体が弱ってしまうおそれがあるため、避けるのが基本です。

封鎖するのは、コウモリが外に出ている時間帯、かつ子育て期や冬眠期を外した春と秋が目安です。時期に迷うときや、どのくらいの数がいるかわからないときは、業者に現場を確認してもらうと確実です。

出典:浜松市「コウモリによる被害について」/農林水産省「農業用水路トンネルとコウモリ類」/北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」

編集部

「今すぐふさぎたい」と思っても、夏と冬は待つのが鉄則です。その間に外周のすき間の下見や、封鎖資材の準備を進めておくと、時期が来たときにすぐ作業に入れます。

コウモリの侵入を防ぐ方法

方法内容向いているケース・注意点
すき間をふさぐ金網・板・ネット・パテなどで、侵入口を物理的にふさぐ侵入防止の基本。中に残っていないか確認してから行う
換気口にネットや金網防虫網の破れを直し、目の細かい網を重ねる換気口・通気口まわり。換気を妨げない材質を選ぶ
忌避剤・においで遠ざけるナフタリンなどの忌避剤や、ハッカなどの香りを使う出入りが少ない初期。においは薄れるので定期的に交換
光・音・反射で遠ざける強いライト、ラジオ、CDやアルミ箔の反射を使うふさげない場所の補助的な手段。効果は限定的
編集部作成

コウモリの侵入を防ぐ方法は、大きく分けて、すき間をふさぐ方法と、においや光・音で居心地を悪くする方法の2つです。確実性が高いのは前者で、後者は補助的な位置づけになります。

すき間を金網・板・パテなどでふさぐ

もっとも確実な侵入防止が、市販の金網や板、ネット、パテなどでの封鎖です。すき間の大きさや場所に合わせて資材を選び、コウモリがいない時期に行います。ガムテープや網は応急処置にはなりますが、長くはもたないため、軒天や外壁のすき間は金網や板、パテなどを使うほうが安心です(編集部の知見)。

作業の前に、中にコウモリが残っていないかを必ず確認してください。取り残してしまうと、閉じ込められて死んでしまい、においや害虫の原因になります。

出典:香川県「ヘビやコウモリを見つけたときの対応」/つくばみらい市「コウモリを見かけたら」/浜松市「コウモリによる被害について」

換気口・通気口にネットや金網を取り付ける

換気口や通気口は、防虫網が破れていたり、ずれていたりすると、そこから入り込まれやすくなります。目の細かい金網を重ねて取り付けると、コウモリだけでなく虫の侵入も減らせます。換気を妨げない素材を選び、外側からしっかり固定しましょう(編集部の知見)。

忌避剤・においで居心地を悪くする

ナフタリンなどの固形の忌避剤や、スプレータイプの忌避剤を出入り口の近くに設置して、においで居心地を悪くする方法もあります。ハッカなどの香りを使う方法も紹介されていますが、においは時間とともに薄れるため、定期的な交換が必要です。使用説明書に従い、家族やペットに影響が出ないよう量と場所に注意してください。

出典:つくばみらい市「コウモリを見かけたら」/北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/各務原市「コウモリ忌避装置の貸出について」

光・音・反射で遠ざける

コウモリの出入り口にライトを当てたり、ラジオなどの音を流したり、CDやアルミ箔をぶら下げて超音波を乱反射させる方法が紹介されています。ただし、効果の程度が示されているわけではなく、慣れてしまうこともあるため、あくまで補助的な手段と考えてください。すき間をふさげない場所の応急的な対策として使うのが現実的です(編集部の知見)。

出典:浜松市「コウモリによる被害について」/各務原市「コウモリ忌避装置の貸出について」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」

場所別の侵入防止ポイント

コウモリの侵入経路は家ごとに異なりますが、軒下・換気口・戸袋やシャッターボックス・屋根まわりは、とくに点検したい場所です。ここでは、場所ごとにチェックすべきポイントを整理します。

軒下・軒天・破風まわり

軒天の継ぎ目や、破風板と屋根の間のすき間は、もっとも入られやすい場所です。板のたわみや反り、塗装のはがれがある部分を重点的に見て、すき間があればパテや金網でふさぎます。軒下にフンが落ちている場合は、その真上に侵入口があることが多くなります(編集部の知見)。

換気口・換気扇・エアコン配管まわり

換気口の防虫網の破れ、換気扇フードのずれ、エアコン配管の貫通部まわりのパテの劣化は、見落とされがちな侵入口です。配管まわりは、ゴムやパテが硬くなってひび割れていないかを確認し、必要に応じて詰め直します。

戸袋・シャッターボックス・ベランダ

戸袋やシャッターボックスは、構造上すき間が多く、暗くて落ち着ける環境のため、住み着かれやすい場所です。使っていない雨戸やシャッターは、すき間を板やネットで塞ぐ方法があります。ベランダの天井や手すりまわりも、フンの有無で点検しましょう。

屋根・屋根裏まわり

屋根と外壁の取り合い、棟まわり、瓦のずれなどは、高所で自分では点検しづらい場所です。屋根裏から物音がしたり、天井にシミがあったりする場合は、すでに屋根裏に入り込まれている可能性があります。この場合は、ふさぐ前に追い出しが必要になるため、業者に相談するほうが安全です。

コウモリの侵入防止を自力で行う場合の流れ

すき間のふさぎ作業は、脚立や足場が必要な高所作業になりがちです。転落や、フンによる健康被害のおそれもあるため、基本的には専門業者への依頼をおすすめします。以下は参考情報としてご覧ください。

自力で対応できるのは、侵入口が低い位置にあり、数が少なく、安全に作業できる場合に限られます。屋根の高い場所や、数十匹の集団、複数箇所からの出入りがある場合は、無理をせず業者へ相談してください。

自力で侵入を防ぐ手順(目安)
  1. 日没後に家の外から観察し、出入り口の位置とコウモリの有無を確認する(6〜8月や冬は延期)
  2. フンの落ちている場所を手がかりに、外周を点検して侵入口になりそうなすき間をすべて洗い出す
  3. コウモリが外に出ている時間帯に、中に残っていないか確認する
  4. 金網・板・ネット・パテなどで、すき間をすべてふさぐ(高所は業者へ)
  5. 数週間〜数か月は、新しいフンや夕方の出入りがないかを点検する

1つでも「自分では難しそう」と感じたら、そこで止めて業者に相談してください。とくに「出入り口が高い」「何匹いるかわからない」「すでに屋根裏から音がする」場合は、早めに専門家の力を借りるほうが、結果的に安く・安全に済みます。

コウモリの侵入防止の注意点とポイント

侵入防止は、すき間をふさいで終わりではありません。閉じ込めの防止、室内に迷い込んだときの対処、掃除、定期点検、超音波グッズの考え方、賃貸での連絡先など、押さえておきたいポイントをまとめて確認しておきましょう。

閉じ込めを防ぐ(ふさぐ前の確認)

封鎖の前には、コウモリの出入りがなくなったことを確認してから作業するのが鉄則です。夕方に数日観察して、出ていく様子はあっても戻ってくる様子がないことを確かめてから、侵入口をふさぎましょう。閉じ込めてしまうと、死んだコウモリのにおいやハエなどの害虫の原因になります。

出典:浜松市「コウモリによる被害について」

室内に迷い込んだときの対処

コウモリは夜行性で、昼間はあまり動きません。室内に迷い込んでしまった場合は、素手で触らず、ケガがなければ安全な場所につかまらせて、夕方以降に飛び立つのを待つ対応が示されています。野生のコウモリには、寄生虫や感染症の原因となる菌・ウイルスが付いている可能性があるため、必ず手袋などを使い、素手では触らないようにしましょう。

野生のコウモリには、寄生虫や感染症の原因となる菌やウイルスが付着している

つくばみらい市「コウモリを見かけたら」

出典:神奈川県「野生動物に関するよくあるご質問」/つくばみらい市「コウモリを見かけたら」

フンの掃除と消毒

侵入口をふさいだあとは、残っているフンの掃除が必要です。素手では触らず、マスクと使い捨て手袋を着用し、フンが乾いて舞い上がらないよう、湿らせてから拾うのがおすすめです(編集部の目安)。集めたフンは袋に入れて口を縛り、自治体のごみの出し方に従って処分します。広い範囲に積もっている場合は、業者に任せるほうが確実です。

再発を防ぐための点検スケジュール

コウモリは一度気に入った場所に戻ってくることがあります。封鎖後も、春と秋の年2回を目安に、軒天、換気口、配管まわり、戸袋などを点検しましょう。新しいフンや、夕方の出入りがないかをチェックするだけでも、再発の早期発見につながります(編集部の目安)。

超音波グッズだけに頼らない

超音波や忌避装置を使った対策は、市が貸出を行っている例もありますが、貸出ページには効果の程度は示されていません。グッズだけで侵入を完全に防ぐのは難しいため、すき間封鎖と組み合わせることを前提に考えましょう。

出典:各務原市「コウモリ忌避装置の貸出について」

賃貸・集合住宅の場合の連絡先

賃貸や集合住宅では、自分の判断で外壁や軒天のすき間をふさぐと、建物の所有者とトラブルになることがあります。まず管理会社や大家さんに連絡し、対応方針と費用の負担を確認しましょう(編集部の知見)。

自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ

害虫駆除業者が作業している写真

次のような状況では、自分で対応を続けるよりも、専門業者に相談するほうが安全で確実です。

業者に相談したほうがよいサイン
  • 侵入口が屋根の高い位置にあり、脚立や足場が必要
  • フンの量が多い、においが強いなど、数が多い可能性がある
  • すき間をふさいだのに、別の場所からコウモリが入ってくる
  • 時期(冬・夏の子育て期)が合わず、判断に迷う
  • 屋根裏からすでに物音がしている
  • 賃貸・集合住宅で、自分の判断で工事を進められない

業者選びで気をつけたいのが、料金のトラブルです。害虫駆除では、広告では「約500円〜」とされていたのに、作業後に約20万円を請求された、「約1,000円から」の広告が最終的に約50万円になったという事例が、国民生活センターから紹介されています。3ケタ台などの極端な格安料金をうたう広告には注意し、複数社から見積もりを取る・不安をあおる営業には応じない・納得できないときはその場で支払わないことが大切です。

出典:国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」

編集部

侵入防止の見積もりを比べるときは、「どこを何で、何か所ふさぐのか」と、「再発したときの対応」が書かれているかを確認しましょう。内訳が見えない一式料金は、あとで追加請求になりやすいので注意が必要です。

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コウモリの侵入防止に関するよくある質問

コウモリは、どのくらいのすき間から入れますか?

1cm程度のすき間があれば出入りできるとされています。人には入れないように見える細い穴でも侵入口になるため、外周のすき間は小さなものまで点検してください。

忌避剤や超音波グッズだけで侵入は防げますか?

においや音は居心地を悪くする補助的な手段で、効果の程度が示されているわけではありません。すき間をふさぐ封鎖と組み合わせるのが基本です。

すき間をふさぐのに向いている時期はいつですか?

幼獣が飛べない6〜8月と、冬眠の前後は避けます。春(3月下旬〜5月ごろ)と秋(9〜11月上旬ごろ)が目安ですが、地域や年によって前後するため、迷うときは業者に確認してもらいましょう。

見つけたコウモリを捕まえて逃がしてもいいですか?

許可なく捕まえることは法律で禁じられており、素手で触ると感染症の原因となる菌やウイルスに触れるおそれがあります。捕まえようとせず、出ていくのを待つ方法で対応してください。

市役所は侵入防止をしてくれますか?

自治体は駆除や侵入予防を行わず、自分で対応する形が一般的です。対応が難しいときは、環境担当の窓口に相談すると、有料で対応できる業者や協会を紹介してもらえることがあります。

まとめ
  • コウモリの侵入防止は、すき間をふさぐ封鎖が基本。1cm程度でも入られる
  • 封鎖は、中に残っていないことを確認し、6〜8月・冬眠前後を避けて春と秋に行う
  • 換気口、軒天、戸袋、配管まわりなど場所別に点検し、忌避グッズは補助として使う
  • 高所や数が多い場合は、無理せず専門業者に相談する

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