夜中に天井から重い足音が聞こえる、壁の中でガサガサと物音がする――家の中にハクビシンが侵入しているかもしれないと感じたとき、どう対応すればよいのか迷う方は多いはずです。ハクビシンはすでに全国37都府県で生息が確認されている身近な動物で、住宅街でも家の中への侵入被害が報告されています。この記事では、国や自治体が公表しているデータをもとに、家の中にハクビシンがいるサインの見分け方と、正しい対処法を解説します。
- 環境省の調査では、全国約19,255メッシュの約26%にあたる5,052メッシュでハクビシンの生息が確認されている
- 自治体への相談で多いのは「天井裏の足音」「糞尿被害」「果物の食害」の3パターン
- 家の中で鉢合わせしても、素手で触れず、慌てて追い詰めないことが重要
- 弱った個体や死骸を見つけた場合は、素手で処理せず自治体の窓口に連絡する
家の中でハクビシンの気配に気づくきっかけ

「家の中にハクビシンがいるかもしれない」と気づくきっかけの多くは、直接姿を見ることよりも、音・におい・被害の痕跡といった間接的なサインです。夜間に活動する動物のため、家族が寝静まった時間帯に天井や壁の中から物音がして気づくケースが目立ちます。
体長40~60cm、体重3~6kg程度と、ネズミよりもはるかに大きな体格のため、「ドタドタ」「ドサッ」といった重量感のある足音がする場合はハクビシンやアライグマの可能性が高いとされます。あわせて、天井のシミや異臭、庭やベランダにまとまった糞が見つかる、庭木の果実が食い荒らされているといった被害が重なっている場合は、すでに家屋の一部に棲みついている可能性を疑ったほうがよいでしょう。
国のデータで見るハクビシンの生息状況

環境省が公表している生息分布調査によれば、全国約19,255の調査メッシュのうち、約26%にあたる5,052メッシュでハクビシンの生息が確認され、北海道・山口県・九州沖縄地方の計10道県を除く37都府県で分布情報が得られているとされています。かつては山間部のイメージが強かったハクビシンですが、現在は住宅が密集するエリアでも家の中への侵入被害が起こりうる状況です。
東京都環境局も、都内のハクビシンの捕獲数の推移をグラフで公表しており、近年高い水準で推移していることが読み取れます。具体的な年度別の捕獲数やグラフの形状は、以下の東京都環境局のページで確認できます。
編集部「うちの地域は関係ない」と思われがちですが、すでに全国の3分の1以上の都府県で生息が確認されている身近な動物です。
家の中での被害相談の実態と自治体の対応
相談で多い被害のパターン
自治体が公開している案内では、「天井裏から動物らしき大きな足音が聞こえる」「庭やベランダに糞をされる」「庭の果物等(柿やビワなど)を食べられる」という3つが典型的な相談内容として紹介されています。家の中で直接姿を見るケースよりも、こうした間接的なサインをきっかけに相談に至ることが多いことがわかります。
見つけた場合・被害が出た場合の対応
別の自治体の案内では、一般市民による捕獲は法律で禁止されており、ハクビシンを見かけても「多くの場合、ハクビシンの方が逃げていく」ため対応する必要はないとされています。一方で、戸建て住宅で実際に作物被食や天井裏への侵入といった被害が生じている場合は、区市町村が捕獲を実施する仕組みを設けているところもあり、集合住宅は対象外とする自治体もあります。捕獲用の檻の設置を申請できる制度がある自治体もあるため、被害が続く場合はお住まいの環境課・環境保全担当窓口に相談することをおすすめします。
健康面の注意点として、素手でハクビシンに触れないこと、皮膚病を持つ個体や動けない野生動物を見つけた場合は自己判断で処理せず自治体の窓口に相談することが呼びかけられています。
※対応エリア・料金・保証内容をまとめて確認できます
家の中で聞こえる音や気配から侵入場所を見分けるポイント


「家の中に何かいる」と気づいても、天井裏・壁の中・床下のどこに侵入しているかによって、対応の優先度や必要な工事の規模が変わってきます。物音がする場所や時間帯を観察することで、ある程度の見当をつけることができます。
天井裏に侵入している場合は、夜間に「ドタドタ」と歩き回る足音や、天井のシミ・異臭が特徴です。壁の中の場合は、壁を伝って上下に移動するような「カサカサ」「ゴソゴソ」という音が聞こえることが多く、ネズミよりも音が大きく間隔が広いのが特徴とされます。床下の場合は、床のきしみや、床下点検口付近からの獣臭が手がかりになります。複数の場所から同時に物音がする場合、すでに移動経路として家全体を使われている可能性があるため、早めの調査が重要です。
| 侵入場所 | 気づきやすいサイン |
|---|---|
| 天井裏 | 夜間の重量感のある足音、天井のシミ・異臭 |
| 壁の中 | 上下に移動するようなカサカサ・ゴソゴソという音 |
| 床下 | 床のきしみ、点検口付近の獣臭 |
家の中で鉢合わせしてしまった場合の正しい対処法
物音を頼りに探していたら、実際に室内でハクビシンと鉢合わせしてしまうこともあります。驚いて大声を出したり、棒などで追い詰めようとするのは避けるべきです。パニックになったハクビシンが人に向かってきたり、思わぬ場所に逃げ込んでしまったりするおそれがあります。
多くの場合、ハクビシンの方が逃げていくため、見かけても対応する必要はありません。
中野区の案内より
基本的には窓やドアを開けて逃げ道を作り、その場を離れて自分から出ていくのを待つのが安全な対応です。絶対に素手で捕まえようとしないことも重要で、爪や歯によるけがのリスクだけでなく、寄生虫や病原体に触れてしまう可能性もあります。子どもやペットがいる場合は、先に別室へ移動させておくと安心です。
弱った個体・死骸を見つけた場合の対応
天井裏や床下で、動かなくなったハクビシンや死骸を見つけてしまうこともあります。自己判断で素手で処理せず、自治体の担当窓口に連絡するのが基本です。皮膚病を持っている個体や、衰弱して動けなくなっている個体は、感染症のリスクという観点からも慎重な対応が求められます。
死骸をそのまま放置すると、腐敗による悪臭や、ハエ・ウジなど別の害虫の発生源になるおそれもあります。天井裏など手の届きにくい場所で死骸が見つかった場合は、回収作業だけでも高所作業や防護具が必要になることが多いため、自治体への相談とあわせて、専門業者への依頼も検討するとよいでしょう。
自分で対処する場合の流れ・方法
家の中に侵入している場合の対処は難易度が高く、基本的には専門業者への依頼をおすすめします。以下はあくまで参考情報であり、被害が軽度な初期段階での目安としてご覧ください。
物音がし始めたばかりで、侵入している個体数が少なく、侵入口がある程度特定できている場合に限り、自分で応急的に対応するという選択肢もあります。複数の場所から物音がする場合や、糞尿被害がすでに広がっている場合は、自力対応にこだわらないことが重要です。
- 物音がする場所・時間帯を記録する:天井裏・壁の中・床下のどこから聞こえるか確認する
- むやみに追い詰めない:鉢合わせした場合は逃げ道を作り、その場を離れる
- 侵入口を特定する:屋根や壁のすき間、換気口まわりなどを点検する
- 煙・忌避剤で追い出す:個体がいなくなったことを確認してから次の作業に進む
- 侵入口をふさぎ、清掃・消毒を行う:再侵入防止と糞尿の衛生対策を同時に行う
完全にいなくなったことを確認せずに侵入口をふさいでしまうと、家の中に閉じ込めてしまうおそれがあります。手順を誤ると被害が悪化することもあるため、不安がある場合は無理をせず専門業者に相談しましょう。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


侵入場所が複数にわたる場合や、家の中での対処を試みても改善しない場合は、専門業者への相談を検討しましょう。専門業者であれば、侵入経路の調査から追い出し、封鎖、清掃・消毒まで、一連の対応をまとめて任せられるという利点があります。
- 天井裏・壁の中・床下など複数の場所から物音がする
- 自分では侵入口を特定・封鎖できない
- 室内で直接ハクビシンと鉢合わせしてしまった
- 弱った個体や死骸が見つかり、自分では処理できない
専門業者に依頼すれば、侵入経路の特定から追い出し、封鎖、清掃・消毒までまとめて任せられます。無料で見積もり・相談に対応している業者も多いため、家の中での気配に気づいたら、早めに複数社へ相談して比較することをおすすめします。
※料金・対応エリア・保証をまとめてチェックできます
よくある質問
Q. 家の中でハクビシンと鉢合わせしたらどうすればいいですか?
A. 大声を出したり追い詰めたりせず、窓やドアを開けて逃げ道を作り、その場を離れて自分から出ていくのを待つのが基本です。素手で捕まえようとするのは絶対に避けましょう。
Q. 天井裏・壁の中・床下、どこに侵入しているか見分ける方法は?
A. 天井裏は夜間の重量感のある足音やシミ・異臭、壁の中は上下に移動するようなカサカサという音、床下は床のきしみや点検口付近の獣臭が手がかりになります。
Q. 死骸を見つけた場合はどうすればいいですか?
A. 自己判断で素手で処理せず、自治体の担当窓口に連絡するのが基本です。天井裏など手の届きにくい場所の場合は、専門業者への依頼もあわせて検討しましょう。
Q. 自治体は捕獲してくれますか?
A. 自治体によっては、戸建て住宅で実際の被害が生じている場合に捕獲用の檻を設置してくれる制度がありますが、集合住宅は対象外とする自治体もあります。詳細はお住まいの環境課に確認しましょう。
家の中でハクビシンの気配に気づいたら、物音がする場所を確認し、鉢合わせしても追い詰めずに逃げ道を作ることが基本です。素手で触れない・弱った個体や死骸は自治体に連絡するという2点を守りつつ、侵入場所が複数にわたる場合や自分での対処が難しい場合は、無理をせず専門業者に相談して複数社を比較することをおすすめします。
※対応エリア・料金・保証内容をまとめて確認できます










コメント