天井裏からカサカサという足音がする、キッチンに黒い糞のようなものが落ちている——そんな経験をして、「もしかしてネズミ?」と不安になった方も多いのではないでしょうか。ネズミは繁殖力が高いうえ、放置すると感染症や住宅への被害にもつながるため、早めの対応が重要です。この記事では、家にネズミが出たときにまずやるべきことと、国や地方公共団体のデータをもとにした正しい対処法を解説します。
- 国の感染症サーベイランスによると、ネズミが保菌する病原体による感染症(レプトスピラ症)は全国で報告が続いている
- ネズミは「1cm以上の穴やすき間」があれば侵入できるとされている
- 糞・足跡・かじり跡・異音は、ネズミが住みついているサインとして代表的
- 殺そ剤や捕獲器を使う場合は、設置場所と時期に注意が必要
- 自分での対策で改善しない場合は、早めに専門業者へ相談するのが安全
ネズミを放置してはいけない理由(感染症のリスク)

「小さい生き物だから」とネズミを軽視してしまう方もいますが、ネズミは複数の病原体を媒介する動物として知られています。国立健康危機管理研究機構(旧・国立感染症研究所)が公表している感染症発生動向調査によると、ネズミが保菌するレプトスピラ症について、2016年1月〜2022年10月末の期間に全国29都道府県から273例の届出があったと報告されています。感染経路としては水系感染が中心とされていますが、同調査では「ネズミ咬傷による感染や、ネズミ等の尿で汚染された水系以外の環境での労働作業による感染」も報告されていると説明されています。
ネズミは病原体を保菌したまま室内を移動し、食品や調理器具に糞尿を付着させることで、間接的に人に感染を広げる可能性があるという点が見過ごせません。同調査では患者の発症が夏〜秋(特に8月)に集中する傾向も示されており、暖かい時期はネズミの活動そのものも活発になりやすいため、季節を問わず油断せずに対応することが大切です。
家にネズミが出たときにまず確認すべきこと

1匹を見かけただけでも、家の中に他の個体が潜んでいる可能性は十分にあります。まずは次のポイントを確認し、被害の規模を把握しましょう。
- 糞(黒っぽく細長い粒状のもの)が複数箇所にないか
- 柱や配線、食品パッケージなどにかじり跡がないか
- 壁際や天井の隅に、黒っぽい足跡やこすれた跡(ラットサイン)がないか
- 天井裏や壁の中から、夜間に足音や物音がしないか
これらのサインが複数の場所で見つかる場合、すでに巣を作って住みついている可能性が高いと考えられます。特に糞は、新しいもの(黒く湿り気がある)か古いもの(乾いて灰色っぽい)かによって、現在も活動しているかどうかの目安になります。
編集部「1匹だけなら平気」と思われがちですが、ネズミは繁殖スピードが非常に速い動物です。見かけた時点で、すでに複数匹が住みついているケースも珍しくありません。
侵入経路を断つ|ネズミはわずかなすき間からも入る


ネズミ対策の基本は、まず新たな侵入を防ぐことです。京都市の公式サイトでは、「1cm以上の穴やすき間がないか点検しましょう」と案内されています。1円玉の直径が約2cmであることを考えると、その半分程度のすき間でも侵入されてしまうということです。見つかったすき間には、同サイトで紹介されている「モルタルやパテ、金属板、目の細かい金網、金属たわしなど」で塞ぐ対応が推奨されています。
特にチェックしておきたいのは、配管やエアコンの配線を通す壁の穴、換気口、床下の点検口まわりです。ゴムやビニール製の素材は、ネズミにかじられて簡単に穴を広げられてしまうため、金属製の資材でふさぐのが基本とされています。
今すぐできる駆除方法と注意点
侵入経路対策とあわせて、すでに室内にいるネズミへの対応も必要です。代表的な方法とそれぞれの注意点を整理しました。
| 方法 | ポイント・注意点 |
|---|---|
| 粘着シート | ネズミの通り道(壁際)に設置する。効果は高いが、生きたまま捕獲した場合の処理に注意 |
| 捕獲器(かご罠) | ソーセージや薩摩揚げなど油っぽい食品を餌にすると効果的とされる |
| 殺そ剤(毒エサ) | 被害箇所や糞・足跡の付近に少量ずつ複数箇所に配置する。死骸による悪臭やウジ虫被害を避けるため、冬場の寒い時期に行うことが推奨される |
| 侵入経路対策 | 1cm以上のすき間を金属製の資材でふさぐ |
殺そ剤を使う場合は、小さなお子さまやペットが誤って口にしないよう、設置場所に十分注意することが欠かせません。京都市のサイトでも、この点は明確に注意喚起されています。また、死骸が壁の中や天井裏など回収しにくい場所で発生すると、悪臭や二次的な虫の発生につながることもあるため、設置場所と時期を慎重に選ぶことが大切です。
片付け・掃除をするときの注意点
糞やかじり跡を片付ける際は、直接素手で触れないようにしましょう。乾いた糞を掃除機で吸い込んだり、ほうきで乱暴に掃いたりすると、病原体を含む粉じんが舞い上がる可能性があります。使い捨て手袋とマスクを着用したうえで、消毒液を含ませたペーパータオルなどで拭き取り、密閉して処分するのが基本です。
作業後は、手洗い・うがいを徹底することも忘れないようにしましょう。感染症のリスクを踏まえると、掃除の手順そのものが対策の一部であることを意識しておくと安心です。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


侵入経路対策や駆除グッズを試しても改善しない場合、天井裏や壁の中など自分では手が届かない場所に巣ができている可能性があります。次のようなケースでは、専門業者への相談を検討しましょう。
- 粘着シートや殺そ剤を使っても、被害が収まらない
- 天井裏や壁の中など、自分では確認できない場所に気配がある
- 糞や足跡が複数箇所・広範囲に見つかる
- 侵入経路が特定できない、またはすき間が多く自分でふさぎきれない
専門業者であれば、天井裏や床下も含めた家全体の調査、侵入経路の特定・封鎖、駆除後の消毒・清掃までまとめて対応してもらえます。1社だけで即決せず、複数社を比較して検討することをおすすめします。
※料金・対応エリア・対応スピードなどを比較できます
よくある質問
Q. ネズミを1匹見かけただけでも対策すべきですか?
A. はい。ネズミは繁殖スピードが速く、1匹を見かけた時点ですでに複数匹が住みついている可能性があります。早めに糞や足跡などの痕跡を確認し、侵入経路対策を始めることをおすすめします。
Q. どのくらいのすき間から侵入されますか?
A. 京都市の公式サイトでは「1cm以上の穴やすき間」が目安として案内されています。ゴムやビニール製のカバーはかじられて広げられることがあるため、金属製の資材でふさぐことが推奨されています。
Q. 殺そ剤はいつ使うのがよいですか?
A. 死骸による悪臭や二次的な虫の発生を避けるため、冬場の寒い時期に行うことが推奨されています。設置場所は、被害箇所や糞・足跡の付近に少量ずつ複数箇所がよいとされています。
Q. 糞を片付けるときに気をつけることはありますか?
A. 素手で触れず、使い捨て手袋とマスクを着用しましょう。乾いた糞を掃除機で吸い込んだりほうきで掃いたりすると、病原体を含む粉じんが舞う可能性があるため、消毒液を含ませたペーパータオルなどで拭き取るのが基本です。
家にネズミが出たら、まず糞や足跡などのサインを確認し、1cm以上のすき間をふさいで新たな侵入を防ぐことが基本です。感染症のリスクもあるため、糞の片付けなどは手袋・マスクを着用して丁寧に行いましょう。自分での対策で改善しない場合は、無理をせず専門業者への相談を検討してください。
※料金・対応エリア・対応スピードなどを比較できます










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