「せっかくの新築なのに、もうゴキブリを見た」——入居してまだ間もないのに、そんな経験をして戸惑う方は少なくありません。新しい家だから虫は出ないだろうと思われがちですが、実は新築住宅にもゴキブリが発生・侵入する要因はいくつも存在します。この記事では、新築でもゴキブリが出てしまう理由と、国や地方公共団体のデータをもとにした具体的な対策を解説します。
- 国土交通省の統計によると、令和5年度だけで全国約80万戸の新設住宅が着工されており、多くの世帯が「新築とゴキブリ」の問題に直面しうる
- 新築住宅は気密性が高いだけで、すき間や侵入経路がゼロになるわけではない
- 広島市の公式データでも、ゴキブリは台所まわりの暗く暖かい場所に住みつきやすいと説明されている
- 引っ越しの荷物・段ボールが、新築住宅への持ち込み経路になりやすい
- 入居直後からの予防対策が、その後の発生数を大きく左右する
ゴキブリの生態
- 夜行性で、日没後から明け方にかけて活発に活動する。
- 暗くて狭く、暖かく湿った場所を好む(台所のすき間や電化製品の裏など)。
- 非常に強い雑食性で、食べ物はもちろん死骸やフンまで何でも食べる。
- フェロモンによって仲間同士で集まり、群れで隠れる習性がある。
- 水がなければ生きられないため、水回りに特に集まりやすい。
ゴキブリによる被害
- 体に付着した病原菌・病原体を食品や食器に媒介し、感染症や食中毒を引き起こす恐れがある。
- フンや死骸がアレルゲンとなり、アレルギー症状の原因になることがある。
- 悪臭やフンのシミ、食品への異物混入など衛生面の被害をもたらす。
- 電化製品のすき間に侵入し、故障やショート(火災)につながることがある。
- 見た目や突然の出没による強い不快感・精神的ストレスを与える。
新築住宅は、実は毎年数十万戸も生まれている

「新築でゴキブリなんて珍しい」と感じるかもしれませんが、そもそも新築住宅そのものが、毎年非常に多く生まれています。国土交通省が公表している建築着工統計調査報告によると、令和5年度の新設住宅着工戸数は800,226戸にのぼり、このうち持家(注文住宅など)が219,633戸、分譲の一戸建て住宅が133,618戸となっています。
単純計算でも、日本全国で毎年30万戸を超える新しい一戸建て住宅が生まれていることになります。これだけ多くの新築住宅があれば、「新築なのにゴキブリが出た」という声が一定数生まれるのも自然なことといえるでしょう。新築だからといって、ゴキブリ被害と無縁というわけではないのです。
新築なのにゴキブリが出てしまう理由

「新築=虫が入らない」というイメージを持つ方は多いですが、これは誤解です。新築住宅は建材や施工技術の向上により気密性・断熱性が高くなっている一方で、気密性が高いことと、すき間が完全にゼロであることはイコールではありません。配管まわりや換気口、玄関のわずかなすき間など、ゴキブリが通り抜けられる経路は新築でも残っています。
また、新築住宅でゴキブリが発生するもう一つの大きな要因が、引っ越し時の荷物そのものです。建物自体に侵入経路がなくても、荷物と一緒にゴキブリや卵鞘(らんしょう)が運び込まれてしまえば、新築の室内で発生してしまいます。旧居や倉庫で長期間保管していた段ボールや家具は、特に注意が必要です。
編集部「新築だから」と油断してしまう方も多いですが、実は建物側の要因と荷物側の要因、どちらも新築特有のリスクとして意識しておく必要があります。
ゴキブリが住みつきやすい場所を知っておく
新築であっても、ゴキブリが好む環境そのものは変わりません。広島市の公式サイトでは、ゴキブリが「住みつきやすい場所は、台所、食堂、湯沸場、倉庫など、暗くて、あたたかい所」と説明されており、具体的には「ガスレンジ、流し台、冷蔵庫の下、家具と壁の隙間、排水口、換気扇」が挙げられています。さらに、「これらの場所で日中を過ごし、夜になると餌や水を求めて活動します」とも紹介されています。
新築のキッチンは設備がきれいなだけに油断しがちですが、冷蔵庫の裏や家具と壁のすき間といった「暗く暖かい場所」がある限り、ゴキブリにとっての好条件は新築でも同じように成立します。入居してすぐの段階から、これらのポイントを意識しておくことが対策の第一歩になります。
新築ならではの見落としがちな侵入経路


台所まわり以外にも、建物側の要因として次のようなポイントが見落とされがちです。それぞれ入居前後にチェックしておくと安心です。
- エアコンの配管を通す壁の穴(スリーブ)まわりのすき間
- 基礎の換気口や通気口
- 給排水管が床下・壁を貫通する部分のすき間
- 玄関ドアや勝手口の下部にできるわずかなすき間
これらは施工不良ではなく、建物の構造上どうしても生じてしまう「穴」であることがほとんどです。特にエアコンの配管まわりは、後付けでエアコンを設置する際にパテなどでふさぐ処理が甘くなりやすい箇所として知られています。入居後にエアコンを新設・買い替える際は、配管まわりのすき間処理まで含めて業者に確認しておくとよいでしょう。
入居前後にやっておきたい予防対策
新築だからこそ、発生前の予防対策には特に効果が期待できます。入居のタイミングごとに、やっておきたいことを整理しました。
| タイミング | やっておきたいこと |
|---|---|
| 荷造り・搬入前 | 長期間放置していた段ボールや家具は、室内に運び込む前に状態を確認する |
| 入居直後 | エアコン配管まわり・換気口・玄関まわりのすき間をパテや防虫ネットでふさぐ |
| 荷解き後 | 使い終わった段ボールは室内に長期間置かず、早めに処分する |
| キッチン設置後 | 冷蔵庫の下や家具と壁のすき間に、あらかじめ毒餌を設置しておく |
| 継続的な対策 | 生ごみ・食べ物は密閉容器やフタ付きゴミ箱で管理する習慣をつける |
なかでも効果が大きいのが、入居した時点でまだゴキブリが発生していない「まっさらな状態」のうちに、毒餌を予防的に設置しておくことです。すでに発生してから対策するよりも、少ない手間で高い効果が期待できます。広島市のデータにもあった「冷蔵庫の下」「家具と壁のすき間」は、新築であっても真っ先にチェックしておきたいポイントです。
すでに発生してしまった場合・不安が続く場合は業者へ


予防対策をしていても、荷物からの持ち込みなどでゴキブリが発生してしまうことはあります。次のようなケースでは、無理に自己流の対策を続けず専門業者への相談を検討しましょう。
- 入居して間もないのに、複数回ゴキブリを見かけている
- 侵入経路のすき間対策をしても、発生が収まらない
- 新築のどこから侵入しているのか、自分では特定できない
- 荷物からの持ち込みか、建物側の経路かの切り分けができない
専門業者であれば、新築特有の構造も踏まえたうえで侵入経路を特定し、必要な箇所だけをピンポイントで対策してもらえます。せっかくの新しい住まいを気持ちよく使い続けるためにも、1社だけで即決せず、複数社を比較して検討することをおすすめします。
※料金・対応エリア・対応スピードなどを比較できます
よくある質問
Q. 新築住宅でゴキブリが出るのは珍しいことですか?
A. 珍しいとまでは言えません。国土交通省のデータでも毎年80万戸前後の新設住宅が着工されており、その中には荷物からの持ち込みや構造上のすき間が原因で、入居後にゴキブリが発生するケースも一定数含まれます。
Q. 引っ越しの荷物は、どのくらい注意すればいいですか?
A. 特に長期間放置していた段ボールや、倉庫・ガレージに保管していた荷物は注意が必要です。新居に運び込む前に、底面や隙間に虫や卵鞘がないか確認しておくと安心です。
Q. 新築の場合、いつから対策を始めればいいですか?
A. 入居直後、まだゴキブリが発生していないタイミングが最も効果的です。毒餌の設置やすき間対策は、発生後よりも予防として行うほうが効率的です。
Q. ハウスメーカーや工務店に相談すべきこともありますか?
A. 施工不良が疑われる大きなすき間や配管処理の不備がある場合は、施工した工務店・ハウスメーカーに確認することも選択肢の一つです。害虫そのものの駆除については、専門の駆除業者への相談が確実です。
新築住宅は全国で毎年数十万戸も生まれており、構造上のわずかなすき間や引っ越しの荷物が、ゴキブリの侵入・持ち込み経路になり得ます。台所まわりなど、ゴキブリが好む環境そのものは新築でも変わらないため、入居直後のまだ発生していないタイミングで予防対策をしておくことが、その後の被害を防ぐ一番のポイントです。発生してしまった場合や不安が続く場合は、無理をせず専門業者への相談を検討してください。
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