リビングの床や廊下を、黒光りする長い虫がスルスルと動いている——そんな場面に遭遇すると、とっさにどう動けばいいか分からなくなるものです。ムカデは性格的には臆病で、素手で触れたり刺激したりしなければ自分から攻撃してくることは少ないとされています。この記事では、家にムカデが出たときにまずすべきこと、出る原因と時期、咬まれた場合の応急処置、その場での駆除方法、自力対応の流れ、見失ったときの対処法や予防策までをまとめて解説します。
- 見つけたらまず落ち着いて距離を取り、素手で触らず、スプレーや割りばしなどの道具で対処する
- ムカデは春から秋にかけて活動し、夜に餌を求めて屋内へ入ることがある。相談は8〜9月に増える
- 咬まれたら流水で洗い、軟こうを塗る。痛みが強い場合や高齢者・子どもは早めに受診する
- 見失ったときは隠れやすい場所に粘着シートを置き、繰り返し出るなら業者への相談を検討する
家にムカデが出たら、まず何をすればいい?

家の中でムカデを見つけたら、まずは落ち着いて、慌てて素手で払ったりつかんだりしないことが大切です。ムカデは性格的には臆病であり、こちらが刺激を与えなければ自分から向かってくることは少ないとされています。咬みつき行動の多くは、気づかずに触れてしまった際の防御反応です。
まずはムカデから距離を取り、逃げられないよう出口となりそうな隙間をふさぎながら、道具を準備するのが安全な進め方です。子どもやペットが近くにいる場合は、先に別の部屋へ移動させておくと安心して作業できます。
編集部「急に目の前に現れてパニックになった」という声もよく聞きますが、落ち着いて道具を使えば大きな問題にはなりにくいです。まずは、実際の駆除作業の様子を見てみましょう。


こちらは、部屋の隅の棚を確認する様子です。素手で触れずに道具を使うことで、咬まれるリスクを避けながら安全に対処できます。



慌てて叩こうとすると、逃げられて見失ってしまうことがよくあります。動きを目で追いながら道具を整え、落ち着いて距離を詰めるのがコツです。
初動が分かったところで、そもそもなぜ家の中に出てくるのか、その原因と時期を見ていきましょう。
家にムカデが出る原因と、出やすい時期


ムカデは春から秋にかけて活動し、夜になると餌を求めて屋内に侵入することがあるとされています。日本中毒情報センターへのムカデに関する相談は年間20〜30件程度で、特に8〜9月に多くなると報告されています。暖かく湿度の高い時期は、家の中でも注意が必要です。
ムカデは「湿気のある狭い暗所」を好み、庭の草むらや落ち葉の下、石垣のすき間、庭石やブロックの下、プランターの下などに潜んでいます。冬を除くほとんどの季節で活動しており、こうした潜伏場所が家のまわりにあると、エサとなる小さな昆虫を追って建物のすき間から入り込みやすくなります。ゴキブリなどの小さな虫が家に多い場合も、ムカデを呼び込む原因になりかねません。
ムカデの特徴と種類


| 項目 | トビズムカデ(アオズムカデ)の特徴 |
|---|---|
| 体長・寿命 | 15cm以上になり、寿命は6〜7年 |
| 見た目 | 頭部が鳶色(赤褐色)で、脚は21対。アオズムカデは頭部が暗褐色でやや小型 |
| 活動時間 | 夜行性。昼間は倒木や廃材、落ち葉の下などに潜む |
| 食べ物 | そこに生息する昆虫類などを捕食する |
| 毒性 | 咬まれると激しい痛みと炎症が生じる |
家の中で見かけるムカデの多くは、トビズムカデなどの大型の種類です。体長が15cmを超えることもあり、寿命は6〜7年と意外に長いのが特徴です。夜行性で、昼間は倒木や廃材、落ち葉の下などに隠れ、夜になると活動を始めます。
注意したいのは毒性です。咬まれると激しい痛みと炎症が起こり、2度目以降に、まれにアナフィラキシーショックの症状が出る可能性があるとされています。以前に咬まれた経験がある方は、特に慎重に対応しましょう。



家の中で見かけたムカデが大きい個体であればあるほど、慌てて追いかけるのは禁物です。種類や大きさにかかわらず、「触らない・距離を取る」が基本と覚えておきましょう。
放置するとどうなる?咬まれた場合の応急処置
もし咬まれてしまった場合、「大したことはない」と自己判断で放置すると、腫れや痛みが悪化することがあります。ムカデ毒は比較的弱いとされていますが、症状の出方には個人差があるため、早めの応急処置が重要です。
咬まれると激痛と腫れ・炎症が発生する。応急処置としては、傷口を絞って毒を出し、流水で洗い流したうえで、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟こうを塗る。痛みが強い場合は医師の診察を受ける。老人や子どもは症状が重症化しやすいため、早急な処置が必要である。
猪名川町広報「対処法・手当て徹底研究」
特に高齢者や小さな子どもが咬まれた場合は、症状が重くなりやすいとされているため、様子を見るのではなく早めに医療機関を受診することをおすすめします。応急処置をしたあとも、全身の脱力感、発熱、めまいなどの症状が出た場合は、必ず医師の診断を受けてください。
家の中でムカデを見つけた時の駆除方法
| 方法 | 具体的な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 殺虫スプレーで駆除する | ムカデ専用の殺虫スプレーを直接噴射する | 離れた位置から安全に駆除できる |
| 割りばしや紙で処理する | 割りばしではさむ、厚紙で覆って容器に入れる | 薬剤を使いたくない場合に手軽 |
| 粘着シートで捕獲する | 通り道に粘着シートを設置する | 逃げ足の速い個体も確実に捕まえられる |
家の中でムカデを見つけた時の駆除方法は、「殺虫スプレーで駆除する」「割りばしや紙で処理する」「粘着シートで捕獲する」という3つを、状況に応じて使い分けるのが基本です。家庭用のスプレー式殺虫剤を直接使うか、割りばしで処理するのが室内での基本とされています。それぞれのやり方を見ていきましょう。
殺虫スプレーで駆除する方法
もっとも手軽で確実なのが、ムカデ専用の殺虫スプレーを離れた位置から直接噴射する方法です。動きが速く距離を詰めにくい場合でも、スプレーであれば安全な距離を保ったまま対処できます。噴射後はしばらく様子を見て、動かなくなったことを確認してから処理しましょう。
割りばしや紙で処理する方法
薬剤を使いたくない場合は、長さのある割りばしではさんで容器に移す、または厚紙で覆って容器に誘導する方法があります。素手で直接触れなければリスクは抑えられますが、動きが素早いため、慣れていない場合はスプレーとの併用がおすすめです。
粘着シートで捕獲する方法
見失いやすい場所や、頻繁に出没する場所には、あらかじめ粘着シートを通り道に設置しておく方法も有効です。その場で仕留められなかった場合でも、後から出てきた個体を確実に捕獲できるため、見失った際の保険としても活用できます。



スプレーは「今すぐ確実に」、割りばしは「薬剤を使いたくない時」、粘着シートは「見失った時の保険」と考えると使い分けやすくなります。3つとも常備しておくと安心です。
自力で対応する場合の流れ・手順
ここで紹介する流れは、目視できていて、対応する範囲も限られている場合を想定した参考情報です。何度も繰り返し出る、家中を探しても見つからないといった場合は、後述する業者への相談も検討してください。
素手で直接触れると咬まれる危険があるため、必ず道具やスプレーを使って対処することが重要です。以下はあくまで参考情報としての手順です。
- 慌てず、ムカデから距離を取って動きを目で追う
- 子どもやペットを別の部屋へ移動させる
- 殺虫スプレーまたは割りばしなどの道具を準備する
- 離れた位置からスプレーを噴射する、または道具ではさんで容器に移す
- 捕獲・駆除後は、周辺に他の個体が潜んでいないか確認する
短期間に何匹も出てくる、家中を探しても見つからず不安が続くといった場合は、無理をせず早めに業者へ相談することをおすすめします。
家にムカデが出たときのポイントと注意点
ムカデ対応で迷いやすいのは、「逃げられて見失ったとき」「他にもいるのではと不安なとき」「二度と出てほしくないとき」の3つです。ここでは、それぞれの場面での考え方とポイントをまとめます。
見失ってしまった場合の対処法
スプレーや道具を用意している間に逃げられてしまうこともあります。見失った場合は、家中をむやみに探し回るのではなく、隠れやすい場所を絞り込んで確認するのが効率的です。ムカデは湿気のある狭い暗所を好むため、家具や家電の裏、ベッドの下、洗濯物の陰、玄関マットの下などが有力な候補になります。
その日のうちに見つけられなかった場合は、逃げ込んだと思われる部屋の出入り口や、家具のすき間に粘着シートを設置しておくと、後から出てきた際に捕獲しやすくなります。寝室で見失って不安な場合は、布団を敷く前に軽くはたく、寝る前にスリッパの中を確認するといった一手間を加えておくと安心です。ムカデは寝具に潜んでいるところに触れて咬まれることが多いため、就寝前の確認は特に効果的です。
1匹見つけたら、他にもいる?
1匹見つけたからといって、必ず複数いるとは限りません。ただし、ムカデは寿命が6〜7年と長く、家のまわりの落ち葉や廃材の下など、潜みやすい環境があれば同じ場所に居着きやすい虫です。短期間に何匹も見つかる場合は、周辺に発生源がある可能性が高いと考え、個体の駆除だけでなく、潜伏場所の整理や侵入口対策まで行うようにしましょう。
家にムカデを入れないための予防策
予防の基本は、家屋まわりを清潔に保ち、廃材や瓦れきを撤去することです。そのうえで、屋外からの侵入を防ぐために、粉状または粒状の薬剤を建物の外周に幅5〜10センチメートルの帯状に散布する方法が紹介されています。屋外で見つけた場合は、熱湯をかける方法も有効とされています。
日本中毒情報センターも、定期的に害虫駆除や防除を行い、ムカデが屋内に侵入しないようにすること、見つけたら殺虫剤などで駆除し、直接手で触れないようにすることを呼びかけています。サッシや換気口まわりのすき間をふさぐ、庭のプランターやブロックの下を定期的に確認するといった習慣が、再発防止につながります。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


捕獲や駆除を試しても短期間に繰り返し出てくる場合、家の周辺や床下などに発生源がある可能性があります。自分で対応できる範囲には限界があるため、改善が見られない場合は早めに専門業者への相談を検討しましょう。
- 短期間のうちに複数匹が家の中で見つかる
- 見失った個体がどこに潜んでいるか分からず不安が続く
- 家族に咬まれた経験があり、再発が心配
- 侵入経路が自分では特定できない
専門業者に依頼すると、室内の調査から発生源の特定、薬剤処理、侵入経路の対策まで一貫して対応してもらえます。費用や作業内容は業者によって差があるため、1社だけで即決せず、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。



1匹だけであれば自力対応で十分なケースがほとんどですが、短期間に複数匹出る場合は近くに発生源がある可能性があります。無理に自分で探し回らず、早めに専門業者へ相談したほうが安心です。
よくある質問
Q. ムカデを見つけたら、まず何をすればいいですか?
A. 慌てて素手で払わず、まずは距離を取って落ち着くことが大切です。子どもやペットを別の部屋に移動させてから、スプレーや道具を準備しましょう。
Q. 咬まれてしまったらどうすればいいですか?
A. 流水で洗い流したうえで、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟こうを塗ってください。痛みが強い場合や、高齢者・子どもの場合、全身の脱力感・発熱・めまいなどが出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。
Q. ムカデが家に出やすいのはいつ頃ですか?
A. 春から秋にかけて活動し、夜に餌を求めて屋内に侵入することがあります。日本中毒情報センターへの相談は、特に8〜9月に多くなると報告されています。
Q. 見失ってしまい、寝るのが怖いです。
A. 隠れやすい場所(家具の裏・ベッドの下など)に粘着シートを設置しておくと安心です。布団を敷く前に軽くはたく習慣もあわせて行うとよいでしょう。
Q. 1匹見つけたら、他にもいると考えるべきですか?
A. 必ずしも複数いるとは限りませんが、短期間に何匹も見つかる場合は、周辺に発生源がある可能性があります。繰り返し出る場合は専門業者への相談を検討してください。
家にムカデが出たら、まずは落ち着いて距離を取り、素手で触らないことが大切です。ムカデは春から秋にかけて活動し、8〜9月に相談が増えるため、この時期は特に注意しましょう。駆除は「殺虫スプレー」「割りばしや紙での処理」「粘着シートでの捕獲」を使い分け、咬まれた場合は流水で洗い、症状が強ければ早めに受診します。見失った場合は隠れやすい場所に粘着シートを設置し、繰り返し出る場合は早めに専門業者へ相談することをおすすめします。










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