換気扇のまわりからカサカサ、キーキーという音がする。換気扇の外側のフードの下に、黒いフンが落ちている。ときには、換気扇の付近から小さなコウモリがひらりと室内に飛び込んでくることもあります。コウモリは数mmのわずかなすき間からも出入りできるため、換気扇や換気口は、住みつかれやすい侵入口の一つです。この記事では、換気扇にコウモリが入る原因とサイン、まずやるべきこと、追い出しとすき間ふさぎの方法、室内に入ってしまったときの対処、法律や換気面の注意点、業者に頼むべきタイミングまでをまとめて解説します。
- コウモリは6mmほどのすき間からも出入りでき、換気扇まわりのわずかな破損やすき間が入り口になる
- 野生のコウモリは捕獲・殺処分ができないため、追い出してから、換気を妨げない方法ですき間をふさぐ
- 換気設備は住宅に欠かせないため、換気口を丸ごとふさぐのではなく、防虫網や金網で対応する
- 換気扇の内部や高所に入り込んでいる場合は、無理をせず専門業者への相談を検討する
換気扇にコウモリがいたら、まず何をすればいい?

換気扇まわりでコウモリを見つけたら、まず素手で触らず、手や道具で捕まえようとしないことが大切です。野生のコウモリは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲・殺傷すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になるとされています。
換気扇が回っている場合は、スイッチを切り、羽根が止まってから様子を確認すると安全です(編集部の目安)。そのうえで、コウモリの姿が見えるか、フンが落ちているか、夕方に出入りする影があるかを確認し、状況をメモや写真に残しておきましょう。あとで業者や管理会社に相談するときにも役立ちます。
編集部換気扇は毎日使うものだけに、「止めたくない」という気持ちが出てしまいますよね。ただ、羽根が回ったままだと、コウモリがけがをするおそれもあります。対応の流れを確認するために、まず現場の様子を見てみましょう。


こちらは、ーのまわりで、コウモリが出入りしているすき間や、防虫網の破損箇所を確認している場面です。換気扇の内側からでは見えない外壁側の状態を調べることが、原因の特定につながります。



換気扇の場合、室内側だけを見ていても原因は見つかりません。外壁のフードの網が外れていないか、ダクトの継ぎ目にすき間がないかまで、外側と内側の両方から確認するのがコツです。
では、なぜ換気扇にコウモリが入り込むのか、原因から確認していきましょう。
換気扇にコウモリが入り込む原因
換気扇や換気口にコウモリが入り込む背景には、「コウモリの体の小ささ」と「住宅の換気設備の多さ」という2つの理由があります。ここでは、それぞれを整理します。
わずかなすき間からも入れる体の小ささ
コウモリは6mmほどのわずかな隙間からも出入りが可能です
公益社団法人 東京都ペストコントロール協会「コウモリの防除方法」
家に住みつくコウモリは体重5〜10gほどの小型の種類で、わずか6mmほどのすき間があれば出入りできるとされています。すき間の目安を1.5cm程度とする資料(神奈川県ペストコントロール協会)もありますが、いずれにしても、ダクトの継ぎ目や外壁フードの破損、防虫網の外れなど、ちょっとした不具合が入り口になることがあります。
換気口の数が多く、チェックしにくい
2003年(平成15年)7月に施行された改正建築基準法により、住宅の居室には、換気回数0.5回/時以上の機械換気設備(24時間換気システムなど)の設置が必要とされています。つまり、現在の住宅には、台所・浴室・トイレ・居室の給気口など、外壁に開口部が複数あるのが一般的です。数が多いぶん、防虫網の劣化や破損に気づきにくく、そこからコウモリが入り込むことがあります。
換気扇にコウモリがいるサインと、起こりやすい被害


| 場所 | 見られるサイン | チェックのポイント |
|---|---|---|
| 台所の換気扇・レンジフード | 夕方の出入り、フードの下に落ちるフン | 外壁のフードの網が外れていないか |
| 浴室・トイレの換気扇 | 換気扇から聞こえる羽ばたきや鳴き声 | ダクトの継ぎ目や外壁側の口にすき間がないか |
| 居室の給気口(24時間換気) | フィルターまわりの汚れやフン | 防虫網やフィルターの劣化・破損がないか |
| 外壁の換気口フード全般 | フードまわりの黒ずみ、フンの堆積 | 出入り口にフンが集中していないか |
換気扇まわりのサインとして、もっとも分かりやすいのは出入り口のフンの堆積です。コウモリが出入りしている穴にはフンが堆積し、夜間の出入りも確認できるとされています。夕方になると小さな影が出入りする、換気扇のダクトから羽ばたきのような音がする、といった様子も目安になります。
被害としては、フンや尿によるにおい・汚れが中心で、換気扇のダクトの中に溜まると、においが換気の流れに乗って室内に広がることもあります(編集部の知見)。また、コウモリに関する相談は、平成15年度の9件から平成29年度の49件へと増えていることが、神奈川県ペストコントロール協会の資料で示されており、フンによる汚染、天井裏の騒音、見た目の不快感が主な内容でした。



「換気扇から変な音がする」と相談される場合、鳥やネズミ、昆虫など、ほかの原因のこともあります。まずは、フンの有無と夕方の出入りを確認すると、見当がつけやすくなりますよ。
換気扇のコウモリ対策の方法
| 方法 | 具体的な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 追い出す | 追い出し用の忌避スプレーや強い光を使い、外へ出てもらう | 追い出してから封鎖すれば、それ以上の被害はめったにない |
| 金網・パテでふさぐ | 日没後、コウモリが外出した隙に、4メッシュの金網やパテで出入り口を埋める | 6mmほどのすき間も見逃さない |
| 防虫網・フードを点検・交換する | 外壁のフードの網の外れ・破れを確認し、補修または交換する | 換気を妨げず、再侵入を防ぐ |
| 糞を除去・消毒する | ダクトやフードまわりのフンを除去し、消臭・消毒する | ダクト内部は業者向き |
換気扇のコウモリ対策は、「追い出す」→「ふさぐ(換気を妨げずに)」→「汚れを片づける」の順で進めるのが基本です。換気扇は住宅の換気に欠かせない設備のため、換気口を丸ごとふさぐのではなく、空気は通しつつ、コウモリだけが入れない状態にすることがポイントです。
忌避スプレーや光で追い出す方法
個人で対応できる場合は、追い出し用の忌避スプレーなどで、まずコウモリを外へ出すことから始めます。追い出してから閉塞材でふさげば、それ以上の被害はめったに出ないとされています。夜行性のコウモリは強い光に弱いため、ライトの光で誘導して外へ出す方法も紹介されています。いずれも、殺傷が目的ではなく、あくまで「追い出す」ことが目的です。
金網やパテで、換気を妨げずにふさぐ方法
追い出したあとは、出入り口をふさぎます。作業は、日没後、コウモリが餌を取りに外出した隙に行い、4メッシュの金網(5.25mm目)やパテなどで埋めていきます。換気扇まわりの場合は、網の目が細かすぎると目詰まりして換気効率が落ちることがあるため(編集部の知見)、換気を妨げない範囲の網を選ぶことが大切です。脚立やハシゴからの転倒にも気をつけましょう。
防虫網・フードの点検と交換
換気口の防虫網が外れていたり、フードが変形していたりすると、そこが入り口になります。年に数回、外壁側の換気口フードの網の状態を目視で確認し、破損があれば補修や交換を行いましょう。高所にある場合や、取り付け方が分からない場合は、無理をせず業者に点検を依頼するのが安全です。
フンの除去・消臭・消毒
長期間住みつかれていた場合は、糞の除去、消臭、殺虫殺菌まで行い、清潔な環境に戻すことが必要になります。フンには素手で触れず、手袋やマスクを着けて作業しましょう。換気扇のダクトの内部まで汚れている場合は、自力で行うのが難しいため、清掃・消毒まで対応できる業者に任せたほうが安心です。
換気扇からコウモリが室内に入ってきたときの対処
換気扇のすき間から、コウモリが室内に迷い込んでしまうこともあります。慌てて追いかけず、素手では触らず、落ち着いて出口を作ってあげることが基本です。ここでは、室内に入ったときの対処と、万が一咬まれたときの対応を整理します。
部屋の中で見つけたときの対処
室内にコウモリが入った場合、編集部としては、子どもやペットを別の部屋へ移動させ、窓や扉を開けて出口を作り、部屋の明かりを消して静かに待つ方法をおすすめします。コウモリは超音波で周囲を把握して飛ぶため、追い回すと壁や家具にぶつかって、かえって危険です。出ていかない場合や、天井の高い場所に止まって動かない場合は、自分で捕まえず、業者や自治体に相談しましょう。
咬まれたり、触れたりしたとき
野生のコウモリには、寄生虫や感染症の原因となる菌・ウイルスが付いている恐れがあるため、素手では触らないことが基本です。コウモリを含む動物に咬まれた場合は、すぐに傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く医療機関で処置を受けるよう、厚生労働省検疫所の海外渡航者向けの資料で示されています。海外向けの情報ですが、咬まれたり、ひっかかれたりしたときは、自己判断で済ませず医療機関に相談するのが安心です。
自力で換気扇のコウモリ対策をする場合の流れ・手順
ここで紹介する流れは、外壁の低い位置にある換気口など、安全に手が届く範囲で、数が少ない場合を想定した参考情報です。換気扇の内部やダクトの奥に入り込んでいる、高所での作業が必要、といった場合は、無理をせず業者への相談を検討してください。
コウモリは捕獲・殺処分ができないうえ、換気扇の取り外しや高所作業にはけがの危険もあります。自力での対策には限界があるため、基本的には専門業者への依頼をおすすめします。以下はあくまで参考情報としての手順です。
- 換気扇を止め、フンの有無と夕方の出入りを観察して、出入り口を特定する
- 繁殖期(7月初旬〜8月中旬)や冬眠の時期でないか、時期を確認する
- 忌避スプレーや光を使い、コウモリを外へ追い出す
- 日没後、外出したことを確認してから、換気を妨げない網や金網・パテですき間をふさぐ
- 手袋・マスクを着けてフンを掃除し、数日おいて、新しいフンや音がないか点検する
ふさいだあともフンや音が続く場合は、見落としたすき間が残っている、またはダクトの奥に個体が残っている可能性があります。無理をせず、早めに業者へ相談しましょう。
換気扇のコウモリ対策の注意点とポイント
換気扇のコウモリ対策では、「法律・時期」「換気を妨げない工夫」「賃貸・マンションでの対応」の3つで迷う方が多くなっています。ここでは、それぞれの場面での考え方とポイントをまとめます。
捕獲はできない?法律と時期の注意
コウモリは鳥獣保護管理法の対象であり、東京都環境局のページでは、許可なく野生鳥獣を捕獲した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金とされています。「捕まえて処分する」のではなく、「追い出して、すき間をふさぐ」のが基本です。
また、7月初旬〜8月中旬の繁殖期に入ると追い払うのは難しく、冬眠の時期も追い出しが難しいため、それ以外の時期に行うほうが効果的とされています。繁殖期に出入り口をふさいでしまうと、親が戻れず、子どもだけが取り残されるおそれもあります。
換気を妨げない工夫と、止めすぎない配慮
住宅では、換気回数0.5回/時以上の機械換気設備(24時間換気システムなど)が必要とされているため、換気口を丸ごとふさいだり、換気設備を長期間止めたままにしたりするのは避けたいところです。コウモリ対策でも、空気は通して、コウモリだけが入れない状態にすることが理想で、防虫網や金網を使った対応が基本になります。換気設備を止めて作業した場合は、作業が終わったら必ず運転を再開しましょう。
賃貸・マンションでは管理会社へ連絡する
賃貸住宅やマンションでは、外壁の換気口フードや共用部のダクトは、管理会社や大家さんの管理範囲にあたる場合が多く、自分で交換や封鎖を行うことが認められていないケースがあります。フンや出入りの写真を撮ったうえで、まず管理会社や大家さんに連絡するのが、編集部のおすすめです。費用の負担区分も、先に確認しておくと安心です。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


換気扇の内部やダクトの奥に入り込んでいる、外壁の高所にある、追い出してもすぐ戻ってくる、といった場合は、自力での対応が難しい状況です。高所作業や広範囲の閉塞、多数の個体が生息している場合は相談するよう、ペストコントロール協会も勧めています。
- 換気扇の内部・ダクトの奥から音やにおいがする
- 外壁の高所にある換気口で、安全に作業できない
- 追い出して封鎖しても、数日〜数週間でまた戻ってくる
- フンやにおいが換気を通じて室内まで届いている
専門業者に依頼すると、出入り口の調査から追い出し、換気を妨げない封鎖、フンの除去・消臭・消毒までまとめて対応してもらえます。ただし、害虫・害獣駆除のトラブルは増えており、国民生活センターの発表では、2023年度の相談件数は前年度の同じ時期と比べて約1.5倍に増加し、とくに10〜20歳代が契約当事者となるケースが急増したとされています。
極端に安い価格表示への警戒、複数社からの見積もり取得、クーリング・オフ制度の活用、消費者ホットライン「188」への相談などが呼びかけられています。作業範囲(封鎖・清掃・消毒が含まれるか)と総額を、契約前に確認して、複数社を比較することが、納得できる依頼につながります。



換気扇まわりは、外壁の高所作業と、換気設備を傷めない封鎖の両方が必要になります。見積もりでは、「換気に影響しない施工か」「保証や再発時の対応があるか」まで確認してみましょう。
よくある質問
Q. 換気扇にコウモリがいるときは、換気扇を回し続けてもいいですか?
A. コウモリがけがをするおそれがあるため、まずスイッチを切り、羽根が止まってから確認しましょう(編集部の目安)。作業が終わったら、換気設備は必ず運転を再開してください。
Q. 換気扇のコウモリを自分で捕まえて処分してもいいですか?
A. 鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲・殺傷することはできません。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため、追い出して、すき間をふさぐ方法で対応しましょう。
Q. コウモリはどのくらいのすき間から入ってきますか?
A. 6mmほどのわずかなすき間からも出入りできるとされています。換気口フードの網の外れや、ダクトの継ぎ目などを細かく点検しましょう。
Q. コウモリが室内に入ってきたら、どうすればいいですか?
A. 素手では触らず、子どもやペットを別の部屋に移動させ、窓や扉を開けて出口を作り、部屋の明かりを消して静かに待つ方法があります(編集部の目安)。咬まれた場合は、傷口を石けんと水でよく洗い、医療機関に相談してください。
Q. 賃貸で換気扇にコウモリがいた場合、誰に連絡すればいいですか?
A. 外壁の換気口フードやダクトは、管理会社や大家さんの管理範囲にあたる場合が多いため、まず管理会社へ連絡しましょう。フンや出入りの写真を伝えると、スムーズに対応してもらえます。
換気扇にコウモリが入り込むのは、6mmほどのわずかなすき間や、外壁の換気口フードの網の破損が原因になることが多く、野生のコウモリは捕獲・殺処分ができないため、「追い出して、換気を妨げずにすき間をふさぐ」のが基本です。日没後、コウモリが外出したことを確認してから、金網やパテ、防虫網で対応し、繁殖期(7月初旬〜8月中旬)や冬眠の時期は避けましょう。室内に入ってしまったときは素手で触らず、咬まれた場合は医療機関に相談してください。換気扇の内部や高所は無理をせず、賃貸では管理会社へ連絡し、改善しない場合は、料金トラブルにも注意しながら複数の業者を比較して相談することをおすすめします。










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