シロアリ駆除を自分でやる前に知っておきたいリスクと注意点

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「業者に頼むと費用がかかるから、まずは自分でシロアリ駆除を試してみたい」——ホームセンターで薬剤を見ながら、そう考えたことがある方も多いのではないでしょうか。市販の薬剤で対応できる範囲もありますが、使い方を誤ると健康被害につながる事故も報告されています。この記事では、自分でシロアリ駆除をする際にできること・注意したいポイントと、業者に依頼したほうがよいケースの目安を解説します。

この記事のポイント
  • 市販薬剤で対応できるのは、被害がごく初期・限定的な範囲にとどまるケース
  • 薬剤の誤用による健康被害の事例が、国の資料でも報告されている
  • 薬剤を別容器に移し替えるなど、保管方法にも注意が必要
  • 床下全体の被害や再発防止まで考えると、登録業者への相談も選択肢の一つ
目次

自分でシロアリ駆除はどこまでできる?

シロアリ

ホームセンターやインターネットでは、スプレータイプの駆除剤や、木部に塗布するタイプの薬剤、設置するだけのベイト剤など、さまざまな市販グッズが販売されています。羽アリを見つけた場所や、蟻道(シロアリが移動に使う土でできた通り道)がごく一部にしか見当たらない場合であれば、これらの市販グッズで対応できることもあります。

一方で、シロアリの巣は床下や壁の内部など、目に見えない場所に広がっていることがほとんどです。市販グッズは「今見えている範囲」への対処が中心になるため、被害の全体像を把握しないまま作業を進めると、見えない場所の被害を見落としたまま「駆除できた」と思い込んでしまうリスクがあります。まずは自分で対応できる範囲なのかどうかを見極めることが、最初のポイントになります。

薬剤の誤用による事故に注意

薬剤を保存する棚の画像

自分で駆除剤を扱う際にまず気をつけたいのが、誤用による健康被害です。農林水産省がまとめた令和5年度の資料によると、農薬(防除剤を含む)の使用に伴って人に対する事故が全国で20件発生しており、その原因として「薬剤を適切に保管・管理しておらず誤って飲んでしまった」ケースや、作業中の防護装備(マスクや保護メガネなど)が不十分だったケースが挙げられています。

また消費者庁が公表している注意喚起では、家庭にあった殺虫剤による子どもの事故事例が紹介されています。玄関に置いていた虫除けスプレーを自分の顔にかけてしまい目が充血した事例や、殺虫剤を舐めてしまい嘔吐した事例、虫除けスプレーと間違えて殺虫剤を体に噴霧し手足のしびれを訴えた事例などが報告されており、薬剤を扱う際は、置き場所や取り違え防止まで含めて注意する必要があることが分かります。

出典:農林水産省「令和5年度農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について」/消費者庁「虫除けスプレーや殺虫剤の事故に注意しましょう!」

編集部

小さなお子さんやペットがいるご家庭では、薬剤を使う場所やタイミングにも配慮が必要です。作業中・作業後は換気をしっかり行い、乾くまで近づかせないようにしましょう。

薬剤の保管方法にも注意が必要

市販の駆除剤を使う際は、使用方法だけでなく保管方法にも注意が必要です。岐阜県が公開している注意喚起では、ある町内会が防除剤をお茶のペットボトルに小分けして配布した結果、それを誤って飲んでしまった女性2名が意識を失う重大な健康被害につながった事例が紹介されています。県はこの事例をふまえ、「薬剤をラベルのない容器に移し替えて保管・配布することは、たとえ中身を知っている本人以外にとっては危険物と分からず、誤って飲料と間違えて口にしてしまうおそれがある」として、薬剤を飲料用の容器に移し替えて保管しないよう呼びかけています。

出典:岐阜県「殺虫剤等を飲料用ペットボトルへ移し替えないでください」

シロアリ駆除剤も同じように、購入時の容器のまま、ラベルを保ったまま保管することが基本です。「使いかけだから小分けにして保管しよう」と考える前に、まずは元の容器のまま、子どもの手が届かない場所に保管することを徹底しましょう。

自分でシロアリ駆除をするときのポイント・注意点

市販薬剤でカバーできる範囲とできない範囲

市販薬剤が向いているのは、羽アリを見かけた程度で被害がごく初期の段階、あるいは目視できる範囲に蟻道が限られている場合です。一方で、床下全体や壁の中、複数箇所にまたがる被害については、市販グッズだけでは施工範囲・薬剤量ともに不足しがちです。「どこまでが自分でできる範囲か」を最初に見極めることが、時間と費用を無駄にしないための第一歩になります。

「効果が出ない」ときにありがちな失敗パターン

自分で駆除して羽アリや蟻道が一時的に減っても、巣の中心(女王アリのいる場所)まで薬剤が届いていなければ、時間の経過とともに被害が再発することがあります。また、スプレーで表面だけを処理して「巣に薬剤が行き渡った」と勘違いしてしまうケースや、施工範囲が狭く被害箇所の一部にしか薬剤が届かないケースも、効果が出ない原因としてよく見られます。作業後にすぐ効果を判断せず、数週間〜数ヶ月単位で経過を確認する姿勢も必要です。

安全に作業するための最低限の注意

作業する際は、製品に記載された使用量・使用方法を守り、マスクや手袋を着用したうえで、作業中・作業後はしっかり換気することが基本です。床下での作業は、閉鎖空間での薬剤の吸い込みリスクも高まるため、無理に潜って作業するよりも、届く範囲にとどめる判断も大切です。前述のとおり、使い終わった薬剤は必ず元の容器・ラベルのまま、子どもやペットの手が届かない場所に保管しましょう。

害虫駆除業者を比較する

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登録業者に依頼するという選択肢

自分での作業に限界を感じた場合、業者選びの一つの目安になるのが「建築物ねずみ昆虫等防除業」の登録制度です。横浜市の場合、この登録を受けるには、噴霧器や防毒マスク、調査用トラップなど所定の機械器具を備えていることに加え、対象ごとに具体的な防除方法を定めていること、従事者が毎年研修を受講していることなどの基準を満たす必要があります。

出典:横浜市「建築物ねずみ昆虫等防除業の登録基準」

すべてのシロアリ駆除業者がこの登録を受けているわけではありませんが、登録の有無は業者選びの判断材料の一つになります。自分で対応しきれないと感じたときは、こうした基準を満たした業者を含めて、複数社を比較してみることをおすすめします。

自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ

害虫駆除業者が作業している写真

市販薬剤で対応してみても被害が収まらない場合、床下など自分では確認できない場所まで被害が広がっている可能性があります。無理に自己流で薬剤を使い続けようとせず、改善が見られない場合は早めに専門業者への相談を検討しましょう。

業者への相談を検討すべきサイン
  • 市販薬剤を使っても羽アリや蟻道の発生が収まらない
  • 床下や壁の中など、自分では確認できない場所に被害が疑われる
  • 被害箇所が複数・広範囲にわたっている
  • 薬剤の取り扱いに不安があり、安全に作業できる自信がない

専門業者に依頼すると、床下の詳細な調査、被害範囲に応じた駆除・予防処理、施工後の保証までまとめて対応してもらえます。料金や保証内容は業者によって差があるため、1社だけで即決せず複数社を比較することをおすすめします。

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よくある質問

Q. シロアリ駆除は自分で完結できますか?

A. 被害がごく初期・限定的な範囲であれば市販薬剤で対応できることもありますが、床下全体や複数箇所にまたがる被害の場合は、市販グッズだけでは施工範囲・薬剤量ともに不足しがちです。まずは被害の範囲を見極めることが大切です。

Q. 駆除剤を使うときに気をつけることはありますか?

A. 製品記載の使用量・使用方法を守り、マスクや手袋を着用したうえで作業中・作業後はしっかり換気してください。農林水産省の資料でも、保管管理の不備や防護装備の不足が事故の原因として挙げられています。

Q. 使いかけの薬剤を小分けにして保管してもいいですか?

A. 避けたほうがよいとされています。岐阜県の注意喚起にもあるとおり、ペットボトルなど飲料用の容器に移し替えると、誤って口にしてしまう事故につながるおそれがあります。必ず購入時の容器・ラベルのまま保管してください。

Q. 業者に頼む場合、何を基準に選べばいいですか?

A. 「建築物ねずみ昆虫等防除業」の登録の有無は判断材料の一つになります。あわせて、施工範囲・保証内容・見積もりの総額まで含めて、複数社を比較したうえで選ぶことをおすすめします。

まとめ

自分でのシロアリ駆除は、被害がごく初期の段階であれば市販薬剤で対応できることもありますが、薬剤の誤用や不適切な保管による事故が国の資料でも報告されています。安全に配慮しながら作業することはもちろん、床下全体の被害や再発防止まで考えると、登録業者への相談も有効な選択肢です。まずは被害の範囲を見極め、対応が難しいと感じたら、複数の専門業者を比較して信頼できる依頼先を選びましょう。

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本記事は、農林水産省・消費者庁・岐阜県・横浜市が公表している資料をもとに作成しています。

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