体に赤い発疹ができてかゆい……その原因が「トコジラミ」なのか「ダニ」なのか、判断に迷う方は少なくありません。東京都の調査では、令和6年度のトコジラミに関する相談件数は486件、ダニ類に関する相談は224件と報告されています。この記事では、国や自治体が公表しているデータをもとに、トコジラミとダニの違い・見分け方・それぞれの対策方法を解説します。
- 東京都の令和6年度データでは、トコジラミの相談件数は486件、ダニ類は224件と報告されている
- 厚生労働省は、マダニなどが媒介する感染症としてSFTSなど6種類を挙げている
- 茨城県の情報では、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の致命率は約30%とされている
- 千代田区の情報では、室内温度25~30度・湿度60%程度が続くとダニが大発生するおそれがあるとされている
トコジラミとダニは何が違うのか

分類・生態の違い
トコジラミはカメムシの仲間で、体長5~8mm程度と肉眼でもはっきり確認できる大きさです。一方、家庭内でよく見られるダニ(ツメダニ・イエダニなど)は体長0.3~1mm程度と非常に小さく、肉眼ではほとんど見えません。トコジラミは夜行性で就寝中に吸血する一方、ダニは種類によって生態が異なり、ホコリや他の虫を食べるもの、動物に寄生するものなど多様です。
刺され跡・症状の違い
刺され跡にも違いが見られます。トコジラミは複数箇所を一直線または集団で刺す傾向があり、吸血後は数時間から数日たってから強いかゆみが出ることが多いとされています。一方、ツメダニやイエダニは脇腹・太もも・二の腕など、衣服で覆われた柔らかい部分を刺す傾向があり、刺された直後よりも半日~1日程度たってから強いかゆみが出るケースが多いといわれています。
編集部刺され跡の並び方や、刺されやすい体の部位を確認すると、どちらが原因か見当をつけやすくなります。
東京都のデータで見るトコジラミとダニの相談件数
東京都保健医療局が公表している令和6年度の「ねずみ・衛生害虫等相談状況調査結果」によれば、トコジラミに関する相談は年間486件、ダニ類に関する相談は年間224件と報告されています。ダニ類の内訳を見ると、その他のダニが138件と最も多く、続いてイエダニ18件、ヒゼンダニ17件、マダニ13件、タカラダニ11件となっており、トコジラミの相談件数はダニ類全体の2倍以上に上ることがわかります。
| 種類 | 令和6年度の相談件数 |
|---|---|
| トコジラミ | 486件 |
| ダニ類(合計) | 224件 |
| その他のダニ | 138件 |
| イエダニ | 18件 |
| ヒゼンダニ | 17件 |
| マダニ | 13件 |
| タカラダニ | 11件 |
月別の傾向では、トコジラミの相談は初夏から秋にかけて増加し、9月に66件とピークを迎えているのに対し、ダニ類の相談は5月と9月に33件・32件とピークが見られます。気温や湿度が上がる時期に両者とも被害が増えやすい点は共通していますが、トコジラミの相談件数のほうが年間を通して多い傾向にあります。
※対応エリア・料金・保証内容をまとめて確認できます
ダニが媒介する感染症にも注意が必要
トコジラミとダニの大きな違いの一つが、感染症を媒介するリスクの有無です。厚生労働省の資料では、マダニなどが媒介する感染症としてクリミア・コンゴ出血熱、回帰熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎、つつが虫病、日本紅斑熱の6種類が挙げられています。一方、トコジラミは吸血によるかゆみや発疹を引き起こしますが、国内で感染症を媒介するとの報告は確認されていません。
茨城県が公開している情報によれば、SFTSの致命率は約30%とされ、発熱や消化器症状が主な症状とされています。つつが虫病でも39℃以上の高熱を伴うことがあり、マダニに刺されても自覚症状がないことが多いため、屋外での活動後は入念な確認が推奨されています。
マダニに刺されても自覚症状がないことが多く、気が付かない場合が多い。
茨城県の資料より
家庭内のダニが発生しやすい条件


室内温度25~30度、湿度60%程度が続くとチリダニ・コナダニが大発生するおそれがあるとされています。ツメダニは、これらのダニやチャタテムシなど餌となる虫の増加に伴って繁殖し、特に夏場に多く発生するとされています。イエダニはネズミに寄生するダニで、ネズミがいる家で発生し、人を刺す点が特徴です。
- チリダニ・コナダニ:室内温度25~30度、湿度60%前後で大発生しやすい
- ツメダニ:他のダニや虫が増えると、それを餌にして繁殖する
- イエダニ:ネズミに寄生し、ネズミがいる家で人を刺す
- トリサシダニ:鳥に寄生し、巣から鳥がいなくなると屋内に侵入する
ダニはアレルギー疾患の主要な原因物質の一つでもあり、喘息やアトピー性皮膚炎の悪化因子になるともされています。刺されて赤く腫れる被害だけでなく、フンや死骸が室内に蓄積することによるアレルギー症状にも注意が必要です。
トコジラミ・ノミ・シラミとの混同にも注意
刺され跡の相談では、トコジラミとダニだけでなくノミやシラミとの混同もよく見られます。ノミは跳躍力が強く、主に足首やすねなど下半身を刺す傾向があり、ペットを飼っている家庭で発生しやすいのが特徴です。アタマジラミは頭髪に寄生し、かゆみとともに白い卵(虫卵)が髪に付着している点で見分けられます。
刺された部位、刺され跡の並び方、家の中でペットや小動物を飼っているかどうかといった情報を整理すると、原因の特定に近づきやすくなります。ただし、見た目だけで確実に判断するのは難しいため、実物を発見できた場合は写真に残しておくと、専門業者や医療機関に相談する際に役立ちます。
自力で駆除する場合の流れ・方法
トコジラミもダニも自分だけで完全に駆除するのは難易度が高いため、被害が広がっている場合は専門業者への依頼をおすすめします。以下はあくまで参考情報であり、実行を推奨するものではありません。
被害に気づいたばかりで、範囲がごく一部にとどまっている場合に限り、自分で応急的に対応するという選択肢もあります。被害が複数の部屋に広がっている場合や、繰り返し対処しても改善しない場合は、自力対応にこだわらないことが重要です。
- 発生源を見極める:刺され跡の特徴や実物の有無から、トコジラミかダニかを可能な範囲で確認する
- 掃除機で丹念に吸い取る:畳・布団・カーペットの表面を1平方メートルあたり20秒程度かけて吸い取る
- 熱処理・洗濯を行う:寝具は高温での洗濯・乾燥を行い、天日干しと併用する
- 換気と湿度管理を行う:室内の湿度を下げ、繁殖しやすい環境を減らす
くん煙剤の使用や、被害の出た部屋の寝具・荷物をそのまま他の部屋に持ち出す行為は、被害を拡大させるおそれがあります。数回の処理をしても改善しない場合は、無理をせず専門業者に相談しましょう。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


トコジラミかダニか判別が難しい場合や、掃除機・洗濯・熱処理を試みても被害が改善しない場合は、専門業者への相談を検討しましょう。専門業者であれば、実際の発生源の特定から、トコジラミ・ダニそれぞれに適した薬剤・処理方法の選定まで、まとめて任せられるという利点があります。
- 刺され跡の原因がトコジラミかダニか自分では判断できない
- 掃除機・洗濯・熱処理をしても被害が改善しない
- 被害が複数の部屋・家全体に広がっている
- 刺され跡やかゆみが繰り返し発生している
専門業者に依頼すれば、発生源の特定から適切な処理方法の選定、再発防止のアドバイスまでまとめて任せられます。無料で見積もり・相談に対応している業者も多いため、被害に気づいたら、早めに複数社へ相談して比較することをおすすめします。
※料金・対応エリア・保証をまとめてチェックできます
よくある質問
Q. トコジラミとダニの刺され跡はどう見分ければよいですか?
A. トコジラミは複数箇所を一直線または集団で刺す傾向があり、ダニは脇腹や太ももなど衣服で覆われた部分を刺す傾向があります。ただし見た目だけでの断定は難しいため、実物の発見や専門家への相談も検討しましょう。
Q. トコジラミとダニ、どちらが多く相談されていますか?
A. 東京都の令和6年度データでは、トコジラミの相談件数は486件、ダニ類は224件と報告されており、トコジラミのほうが多い傾向にあります。
Q. ダニは病気を媒介しますか?
A. マダニなどはSFTSやつつが虫病などの感染症を媒介することがあります。一方、トコジラミが国内で感染症を媒介するとの報告は確認されていません。
Q. ダニが発生しやすい環境はどのようなものですか?
A. 室内温度25~30度、湿度60%程度が続く環境で大発生しやすいとされています。こまめな換気や湿度管理、掃除機がけが予防につながります。
トコジラミとダニは、大きさ・刺され跡の傾向・感染症リスクなど複数の点で異なります。東京都のデータではトコジラミの相談件数がダニ類の2倍以上にのぼりますが、どちらも自力での完全な駆除は難しく、被害が改善しない場合は無理をせず専門業者に相談して複数社を比較することをおすすめします。
※対応エリア・料金・保証内容をまとめて確認できます










コメント