秋になると網戸や外壁にびっしりとまっている、茶色くまだら模様の大きめのカメムシ——それはクサギカメムシの可能性が高いです。クサギカメムシは日本で最も家屋への侵入被害が多いとされる種類の一つで、越冬のために集団で家に入り込む習性があるため、放置すると被害が広がりやすい害虫です。この記事では、クサギカメムシの特徴・見分け方から、農業被害や家屋侵入のリスク、具体的な駆除方法、自力対応の流れ、香りを使った予防のポイントまでをまとめて解説します。
- クサギカメムシは体長約15ミリ、暗褐色に不規則な斑紋があるのが特徴
- 名前は、よく見られる植物「クサギ(臭木)」に由来する
- 秋から冬にかけて越冬のため集団で家屋に侵入する習性がある
- 駆除は「スプレー剤」「物理的な除去」「忌避剤」を組み合わせるのが効果的
クサギカメムシの特徴・見分け方

クサギカメムシは体長15ミリ前後で、茶色から暗褐色の体に不規則な黄褐色・茶褐色の斑紋があるのが特徴です。個体差が大きく、色味や斑紋の出方には幅がありますが、他のカメムシと比べてひと回り大きめで、全体的にくすんだ茶色に見えることが見分けるポイントになります。名前は、よく見られる植物「クサギ(臭木)」に由来するとされています。
発生は年1回が基本で、暖かい地域では年2回発生することもあります。4月頃に越冬場所を離れて活動を始め、8月頃まで生存するとされ、メスは一度に約28個の卵をまとめて葉の裏に産み付けます。豆類・柑橘類・カキ・モモ・リンゴ・キュウリなど、非常に広い範囲の植物から吸汁するため、家庭菜園や庭木でも見かけることが多い種類です。
編集部「毎年同じ時期に同じ場所で見かける」という場合は、クサギカメムシが越冬のために毎年その場所を選んでいる可能性があります。まずは実際の駆除作業の様子を見てみましょう。


これは、網戸や外壁に集まったクサギカメムシに専用スプレーを噴射しながら、周辺の隙間に忌避剤を塗布している場面です。1匹ずつ追いかけるよりも、集まりやすい場所を特定して一度に処理するほうが効率的に数を減らせます。



クサギカメムシは集団で同じ場所に集まる習性があるため、見つけた1匹だけを駆除しても、周辺にまだ多くの個体が潜んでいることがあります。外壁全体や網戸のサッシまわりを一通り確認してから処理することをおすすめします。
特徴が分かったところで、放置した場合の農業被害と家屋侵入のリスクを見ていきましょう。
放置するとどうなる?農業被害と家屋侵入のリスク
クサギカメムシは森林のスギやヒノキの実を餌にしていますが、エサが不足すると果樹園や畑に飛来し、果実を吸汁して落果や奇形果を引き起こすことが知られています。柑橘類・リンゴ・ナシ・モモ・カキなど幅広い果樹が対象になるほか、豆類では莢の扁平化や「青立ち」と呼ばれる生育不良、キュウリではくぼみや曲がりの被害も報告されています。家庭菜園や庭木にも被害が及ぶことがあるため、農家に限らず注意が必要な害虫です。
越冬のため家屋内に集団で侵入すること、刺激を受けると悪臭を放つことから、不快害虫としての問題も大きい。
名古屋市「カメムシ類(2)」
農作物への被害に加えて、秋から冬にかけては越冬場所を求めて家屋内に集団で侵入する点も見逃せないリスクです。1匹だけならまだしも、同じ隙間から何十匹も入り込むケースもあり、刺激を与えると悪臭を放つため、洗濯物・カーテン・網戸まわりでの被害が重なりやすくなります。
クサギカメムシの駆除の方法


| 方法 | 具体的な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 専用スプレー剤 | 網戸・窓ガラス・玄関灯まわりに噴射 | 広範囲に集まった個体を一度に処理できる |
| 物理的な除去 | 紙・テープで潰さずに捕獲する | 薬剤を使わず臭いを出さずに駆除できる |
| 忌避剤の活用 | 外壁・換気扇口・網戸に塗布 | 寄り付き自体を防ぐ予防的な使い方ができる |
クサギカメムシの駆除は、「専用スプレー剤で処理する」「物理的に除去する」「忌避剤を活用する」という3つの方法を、発生状況に応じて組み合わせるのが効果的です。それぞれのやり方を見ていきましょう。
専用スプレー剤で駆除する方法
網戸や窓ガラス、玄関灯のまわりに複数匹が集まっている場合は、カメムシ用のスプレー剤で広範囲に噴射する方法が効率的です。複数のノズルから同時に薬剤が出るタイプの製品であれば、集団でとまっている個体をまとめて処理しやすくなります。風向きを確認し、少し離れた位置から噴射することで、驚いた個体が臭いを出しても被害を最小限に抑えられます。
物理的に除去する方法
数匹程度であれば、紙やテープで潰さずに覆うようにして捕獲し、容器に入れて処分する方法が安全です。庭木や家庭菜園の葉に付いている場合は、虫の付いた葉ごと早めに取り除くことで、被害の拡大や産卵を防ぎやすくなります。薬剤を使いたくない場所や、食品まわりでの駆除にはこの方法が向いています。
忌避剤を活用する方法
すでにいる個体の駆除に加えて、外壁や換気扇口、網戸のサッシまわりに忌避剤をあらかじめ塗布・散布しておくと、新たな飛来を防ぎやすくなります。庭木や野菜を防虫ネットで覆う方法も、飛来そのものを物理的に遮断する対策として有効です。越冬シーズン前の秋口に、駆除と合わせて予防的に処理しておくと被害を抑えやすくなります。



スプレー剤は「今いる個体をまとめて減らす」、忌避剤は「新たに寄せ付けない」ための対策です。集団で侵入する習性があるからこそ、両方を組み合わせておくと再発を防ぎやすくなります。
自力で駆除する場合の流れ・方法
ここで紹介する流れは、網戸や外壁など発生場所が限られている場合を想定した参考情報です。大量に集まっている、家屋内まで侵入しているといった場合は、次の章で紹介する業者への相談を優先してください。
叩いたりつまんだりすると強い臭いを発生させてしまうため、刺激を与えない方法で対処することが重要です。以下はあくまで参考情報としての手順です。
- 網戸・外壁・玄関灯まわりなど、集まっていそうな場所を確認する
- 数が多い場合は、離れた位置から専用スプレー剤を噴射する
- 数匹程度なら、紙やテープで潰さずに捕獲して処分する
- 外壁や換気扇口、網戸のサッシまわりに忌避剤を塗布する
- 庭木・家庭菜園に付いている場合は、葉ごと早めに取り除く
家屋内への侵入が広範囲に及んでいる、毎年同じ時期に大量発生を繰り返すといった場合は、無理をせず早めに業者へ相談することをおすすめします。



自力での駆除はあくまで発生場所が限られている場合の応急処置です。集団で越冬している個体が屋根裏や壁の隙間に潜んでいる可能性もあるため、繰り返す場合は無理をしないでください。
ミントなど香りを使った予防のポイント


クサギカメムシは特定の香りを避けようとする動きが確認されているとされ、なかでもミントの香りを利用した予防法が知られています。ミントの鉢植えを窓辺やベランダに置く、ハッカ油を薄めたスプレーを網戸や外壁に吹きかけるといった方法が、忌避剤と組み合わせて手軽に試せる対策です。
ただし、香りによる忌避効果は持続時間が短く、天候や時間の経過で薄れやすい点には注意が必要です。数日おきに吹きかけ直す、雨が降ったあとは効果が落ちていると考えて再度スプレーするなど、こまめなメンテナンスを前提にした対策として取り入れるとよいでしょう。あくまで駆除・忌避剤による対策の補助的な位置づけと考え、香りだけに頼りすぎないことが大切です。
自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ


スプレーや忌避剤を試しても被害が収まらない場合、屋根裏や外壁の内部など、自分では確認できない場所に多数の個体が潜んでいる可能性があります。自分で対応できる範囲には限界があるため、改善が見られない場合は早めに専門業者への相談を検討しましょう。
- スプレーや忌避剤を試しても、繰り返し大量発生する
- 家屋内(屋根裏・壁の隙間など)まで侵入している
- 侵入経路が特定できない
- 毎年同じ時期に同じ場所で被害を繰り返している
専門業者に依頼すると、集団で潜んでいる場所の特定から薬剤処理、忌避剤の施工、再発防止のアドバイスまで一貫して対応してもらえます。費用や作業内容は業者によって差があるため、1社だけで即決せず、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。
よくある質問
Q. クサギカメムシと他のカメムシの違いは何ですか?
A. クサギカメムシは体長約15ミリと比較的大きく、暗褐色の体に不規則な黄褐色・茶褐色の斑紋があるのが特徴です。個体差が大きいものの、他のカメムシよりくすんだ茶色に見える点が見分けの目安になります。
Q. なぜ「クサギカメムシ」という名前なのですか?
A. よく見られる植物「クサギ(臭木)」に由来するとされています。実際にはクサギ以外の幅広い植物にも生息しています。
Q. ミントを置くだけで効果はありますか?
A. ミントの香りを避ける動きが確認されているとされますが、効果の持続時間は短めです。忌避剤やスプレー剤と組み合わせ、補助的な対策として活用することをおすすめします。
Q. 家庭菜園の被害はどう防げばいいですか?
A. 防虫ネットで庭木や野菜を覆う、虫の付いた葉を見つけたら早めに取り除くといった対策が効果的です。被害が広範囲に及ぶ場合は、薬剤散布も検討してください。
クサギカメムシは体長約15ミリの茶色いまだら模様が特徴で、越冬のために集団で家屋に侵入する習性があります。駆除は「専用スプレー剤」「物理的な除去」「忌避剤」を組み合わせ、ミントなどの香りは補助的な対策として活用するのがポイントです。家屋内まで侵入している、毎年同じ被害を繰り返しているといった場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。










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