トコジラミはカーテンにも潜む?正しい駆除温度と対処法

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カーテンのひだの部分に、黒っぽい小さな点々が付いている……それはトコジラミ(南京虫)の糞や卵かもしれません。カーテンは布の折り返しが多く、トコジラミにとって身を隠しやすい場所の一つとされています。この記事では、国や自治体が公表しているデータをもとに、カーテンに潜むトコジラミへの正しい対処法を解説します。

この記事のポイント
  • 厚生労働省の資料では、トコジラミの相談件数は2017年度の約100件から2023年度には約900件へと約9倍に増加している
  • 香川県の情報では、カーテンのひだや折り返し部分がトコジラミの潜伏場所として挙げられている
  • 国のデータでは、49℃で1分、41℃なら100分の熱処理でほぼ100%死滅するとされる
  • 洗濯だけでは卵まで死滅させるのが難しく、高温での乾燥処理を組み合わせる必要がある
目次

トコジラミの相談件数はどれくらい増えているのか

トコジラミ相談件数の推移
トコジラミ相談件数の推移

「カーテンにトコジラミがいるかも」という不安は、決して大げさなものではありません。厚生労働省が公表している資料によれば、トコジラミに関する相談件数は2017年度の約100件から2023年度には約900件に達し、この6年間で約9倍に増加しているとされています。市販の殺虫剤に対する抵抗性を持つ個体も報告されており、ピレスロイド系殺虫剤への耐性が高い地域ではKT50(半数致死時間)が480分を超えるという調査結果もあります。

相談件数は2017年度は約100件だったのに対し、2023年度は約900件に達している。

厚生労働省の資料より

出典:厚生労働省「トコジラミに関する資料」

編集部

市販薬剤が効きにくい個体が増えているからこそ、正しい温度・方法を知っておくことが対策の近道です。

カーテンはトコジラミが潜みやすい場所なのか

カーテンのひだや折り返し部分は、トコジラミの潜伏場所の一つとして挙げられています。カーテンは日中ほとんど動かされることがなく、ひだの重なりで暗く狭い隙間ができやすいため、光や振動を嫌うトコジラミにとって都合の良い環境になりやすいと考えられます。ベッドや布団だけでなく、窓辺のカーテンにも被害が及ぶ可能性があることは、見落とされがちなポイントです。

カーテンの点検をする際は、ひだの内側や裾の折り返し部分を中心に、黒っぽい糞の跡や小さな卵の粒がないかを確認するとよいでしょう。カーテンレールとの接続部分やフックの周辺も、見落としやすい潜伏スポットの一つです。

出典:香川県「トコジラミ」

カーテンのトコジラミを死滅させる正しい温度・方法

熱処理で死滅する条件

厚生労働省の資料によると、トコジラミは49℃で1分間さらすと100%死滅し、41℃であっても100分間さらせば100%死滅するとされています。反対に低温側では、-20℃程度の冷却でも比較的速やかに100%死滅するという報告もあり、高温・低温いずれの処理も有効であることがわかります。

処理方法条件効果
加熱処理49℃・1分間100%死滅
加熱処理41℃・100分間100%死滅
冷却処理-20℃比較的速やかに100%死滅
洗剤水への浸漬30分間0%(ほぼ効果なし)
洗剤水への浸漬120分間約70%致死
厚生労働省の資料をもとに編集部が作成

出典:厚生労働省「トコジラミに関する資料」

洗濯だけで対応する場合の注意点

上の表からもわかる通り、洗剤水に30分浸けただけではほぼ効果がなく、120分浸けてようやく約70%の致死率にとどまります。つまり、カーテンを普通に洗濯機で洗うだけでは、卵や成虫を完全に死滅させるのは難しいということです。板橋区が公開している情報でも、お湯(80℃以上)に5分以上浸けるか、通常の洗濯後に熱乾燥機で乾かすことが推奨されており、洗濯と熱処理をセットで行う必要があります。ただし、生地によっては縮みや色落ちが起きることがあるため、素材表示を確認したうえで行いましょう。

出典:板橋区「トコジラミ対策(予防の基本と駆除方法)」

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カーテンを洗濯・処分する際の注意点

「自宅の洗濯機で洗えないから」とコインランドリーを利用する場合は、周囲への配慮も必要です。カーテンを外す前に軽く振り払ったり叩いたりすると、トコジラミが飛び散って他の部屋や共用スペースに被害が広がる恐れがあるため、外した後は速やかにビニール袋などに入れて密閉するのが基本です。コインランドリーで洗う場合も、持ち運び用の袋は現地で処分し、洗濯機・乾燥機に入れる直前まで密閉状態を保つようにしましょう。

被害が広範囲に及んでいる、あるいは素材的に高温処理が難しいカーテンの場合は、無理に洗濯・熱処理で対応しようとせず、処分してしまうのも一つの選択肢です。処分する際も、他の部屋や共用の集積所を経由する間に被害を広げないよう、ビニール袋で二重に密閉してから廃棄することをおすすめします。

カーテン以外にも注意したい布製品

カーテンだけを処理して安心するのは早計です。トコジラミは布団・毛布・ソファのカバー・カーペット・ぬいぐるみなど、家の中のあらゆる布製品に潜む可能性があります。特にソファやラグは、カーテンと同様に日中あまり動かされないため、被害に気づきにくい場所の一つです。

  • 布団・毛布・枕カバー
  • ソファ・クッションのカバー
  • カーペット・ラグの縁や裏側
  • ぬいぐるみ・クッション類

カーテンに被害が見つかった場合は、同じ部屋にある他の布製品もあわせて点検することをおすすめします。1か所だけを処理しても、別の布製品に生き残っていれば、そこから再び被害が広がってしまいます。

自力で駆除する場合の流れ・方法

トコジラミを自分だけで完全に駆除するのは難易度が高いため、基本的には専門業者に依頼することをおすすめします。以下はあくまで参考情報であり、実行を推奨するものではありません。

カーテンなど布製品のみに被害が限定されているごく初期の段階に限り、自分で応急的に対応するという選択肢もあります。ただし部屋のあちこちに被害が広がっている場合や、熱処理をしても改善が見られない場合は、自力での対応にこだわらないことが重要です。あくまで「カーテンなど一部の布製品に被害が限定されている」場合に限った方法として、基本的な流れを押さえておきましょう。

カーテンを自分で処理する場合の基本的な流れ
  1. カーテンを密閉して取り外す:外す前に叩いたり振り払ったりせず、そのままビニール袋に入れて口を閉じる
  2. 高温での熱処理を行う:素材表示を確認したうえで、80℃以上のお湯に5分以上浸けるか、洗濯後に熱乾燥機(コインランドリーの高温乾燥など)にかける
  3. 周辺の布製品もあわせて点検する:カーテンレール周辺やソファ、カーペットなど同じ部屋の布製品に被害が及んでいないか確認する

洗濯だけで済ませて熱処理を省略すると、卵が生き残ってしまうリスクが高まります。数回の処理をしても被害が収まらない、あるいは被害範囲がカーテン以外にも広がっている場合は、無理をせず専門業者に任せるのが安全です。

自分での対策が難しい・改善しない場合は業者へ

害虫駆除業者が作業している写真

カーテンだけでなく部屋全体に被害が広がっている場合や、自己判断での対応に不安がある場合は、専門業者への相談を検討しましょう。熱処理を試みても改善しない、被害範囲がよくわからないといった場合も、無理を重ねずに業者へ切り替えることをおすすめします。専門業者であれば、被害範囲の正確な特定から、布製品ごとに適した処理方法の選定、再発防止のアドバイスまで、一連の対応をまとめて任せられるという利点があります。

業者への相談を検討すべきサイン
  • カーテン以外の布製品や部屋のあちこちに被害が広がっている
  • 熱処理・洗濯をしても改善しない
  • 高温処理ができない素材のカーテン・家具がある
  • 刺され跡やかゆみが続いている

専門業者に依頼すれば、被害範囲の特定から適切な処理方法の選定、再発防止のアドバイスまでまとめて任せられます。無料で見積もり・相談に対応している業者も多いため、被害に気づいたら、早めに複数社へ相談して比較することをおすすめします。

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よくある質問

Q. カーテンを洗濯するだけでトコジラミは駆除できますか?

A. 厚生労働省の資料では、洗剤水に30分浸けただけではほぼ効果がなく、120分でも致死率は約70%にとどまるとされています。洗濯だけでなく、80℃以上のお湯や熱乾燥機による処理を組み合わせる必要があります。

Q. カーテンのどの部分を確認すればよいですか?

A. 香川県の情報によると、カーテンのひだや折り返し部分が潜伏場所として挙げられています。ひだの内側や裾の折り返し、カーテンレールとの接続部分を中心に、黒っぽい糞の跡や卵がないか確認しましょう。

Q. コインランドリーを利用しても大丈夫ですか?

A. 利用は可能ですが、カーテンを外す際に叩いたり振り払ったりせず、密閉した袋に入れて運ぶようにしましょう。高温乾燥コースを使うことで、熱処理の効果も期待できます。

Q. カーテン以外にも確認すべき場所はありますか?

A. 布団や毛布、ソファのカバー、カーペット、ぬいぐるみなど、同じ部屋にある布製品はあわせて点検することをおすすめします。1か所だけの処理では、別の布製品から被害が再発することがあります。

まとめ

カーテンはひだや折り返し部分にトコジラミが潜みやすい意外な盲点です。洗濯だけでは卵まで死滅させるのが難しく、80℃以上のお湯や熱乾燥機による処理を組み合わせる必要があります。カーテン以外の布製品もあわせて点検し、被害が広範囲に及んでいる場合や改善しない場合は、無理をせず複数の業者を比較して安全に対応することをおすすめします。

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本記事は、厚生労働省・香川県・板橋区が公表している資料をもとに作成しています。

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